初期旧石器時代
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 20:48 UTC 版)
「ブリテンの先史時代」の記事における「初期旧石器時代」の解説
ホモ・エレクトスの骨・石器が、ノーフォークおよびサフォークで発見されている。当時ブリテン島とヨーロッパ大陸は陸続きになっており、テムズ川とセーヌ川はまとまってひとつの川になっていた。ボクスグローブ(サセックス)などでは、50万年前のホモ・ハイデルベルゲンシスの化石が見つかっている。彼らは打製石器・剥片石器およびハンドアックスを用いて、トナカイやマンモスなど大型動物を食料としていた。サイやゾウなどを集団で追い込み、沼の中や崖のふちまで追い込んでから仕留めたと考えられている。 45万年前から30万年前にかけて、アングリア氷期(日本ではギュンツ氷期)が訪れると、ブリテンから人類はいなくなった。極度の寒さが、人類の棲息を許さなかったものと推測されている。つづくホクスン間氷期(40万-37万年前)にはふたたび気候は温暖になり、サフォークなどでクラクトニアンという石器が発見されている。楡やハシバミの混合落葉樹林や草原が広がり、草食獣や肉食獣もブリテンに戻ってきた。これを追って人類もやってきて、クラクトニアン型とよばれる石器で槍をつくり、狩猟をしていた。人類はすくなくとも25人以上の団体で行動し、動物を追って移動していた。 その後また氷期(ウォルストン氷期)に入り、ツンドラとなったブリテンから人類は去ったが、その間の比較的温暖な時期にはブリテン南部に来る者もいた。ケントでは25万年前と推定される人類の頭蓋の断片が発見された。しかし人類が住んでいたという痕跡は少なく、イプスウィッチ間氷期(13万-7万年前)を通じて時おり人類がやってくるという程度であった。
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