初の特許取得
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/12 10:45 UTC 版)
「マーガレット・ナイト」の記事における「初の特許取得」の解説
南北戦争後の1867年にマサチューセッツ州のスプリングフィールドに移住したマーガレットはColumbia Paper Bag Companyに就職し、紙袋の折り方に問題点を見出した。底がない紙袋は役立たずだと考えたマーガレットは、紙を裁断して貼り付け、角底付きの紙袋を製作する機械を作ることを考えた。この機械は当時30人掛かりで行っていた作業を1台の機械に取って変えることができるという革新的な発明であった。マーガレットは昼間に工場で機械を研究しつつ、夜は住んでいた下宿で図面や模型などを製作していた。 1868年7月に木製の模型を完成させたナイトは、特許申請には木製の模型ではなく、実際に動かすことができる鉄製の模型が必要であったため、マーガレットは鉄製の模型を作ることを依頼した。しかし、試作品を作るために雇われた女性をスパイにした機械工場で働くチャールズ・アナンという男性に紙袋の製作機のデザインは盗用され、その特許も勝手にアナンによって取得されてしまった。これに対してマーガレットは訴訟を起こした。アナン側は「(マーガレットが)複雑な機械を作れるはずがない」と主張したのに対して、マーガレット側は裁判で模型が現在のデザインに至るまでの変遷を記録したメモやスケッチなどを見せたり、紙袋工場の工場長の「会話の中でマーガレットが紙袋織り機の構想を練り上げたことに対しては疑いの余地がない」という証言、特許の原型となる模型を作り上げた機械工の「マーガレットの木製の模型を元に製作した」という証言、後に40年以上マーガレットとともに暮らすこととなる女性エリザ・マクファーランド(Eliza McFarland)の「マーガレットがいつも同じ機械の図面を描き、デザインに改良を加えていた」という証言などを得て、試作品がマーガレットによって考案されたものだと16日間の裁判で証明し、米国特許庁に特許申請を提出した2年後の1871年に特許116842号として特許を取得した。これは彼女にとって初めての特許であると同時に、アメリカで初めて女性が特許を取得した事例となった。 紙袋織り機の初期の鉄製モデルは現在、国立アメリカ歴史博物館で展示されている。また、彼女が製造した紙袋製造機は現在の紙製食料品袋の製造の元となっている。マーガレットは、紙袋製造機を造った功績などから、裁判に勝訴したのと同年である1871年にイギリスのヴィクトリア女王から勲章「the Royal Legion of Honour」を授与されている。
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