分離体拡大とは? わかりやすく解説

分離拡大

(分離体拡大 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/02/16 08:54 UTC 版)

体論という代数学の分野において、分離拡大(ぶんりかくだい、: separable extension)は代数的な体の拡大 EF であって、すべての αE に対して αF 上の最小多項式分離多項式である(すなわち相異なるをもつ;この文脈における定義については下記を参照)ようなものである[1]。そうでなければ、拡大は非分離 (inseparable) と呼ばれる。分離代数拡大の概念の他の同値な定義があり、これらは後でこの記事で概説される。


  1. ^ 「相異なる根をもつ」(have distinct roots) は「(重複を考えずに)根を2つ以上もつ」という意味ではない。例えば(実係数の)多項式 X − 2 は相異なる根をもち、(X−2)2 (X−3)2 は相異なる根をもたない
  2. ^ 「相異なる根をもたない」(do not have distinct roots) は「相異なる根をもつ」(have distinct roots) の否定である。
  3. ^ k の characteristic exponent は、k の標数が 0 なら 1 で、そうでなければ k の標数である。

出典

  1. ^ a b c Isaacs, p. 281.
  2. ^ Isaacs, Theorem 18.13, p. 282.
  3. ^ a b Isaacs, Theorem 18.11, p. 281.
  4. ^ Isaacs, p. 293.
  5. ^ Isaacs, p. 298.
  6. ^ Isaacs, p. 280.
  7. ^ Isaacs, Lemma 18.10, p. 281.
  8. ^ a b Isaacs, Lemma 18.7, p. 280.
  9. ^ Isaacs, Theorem 19.4, p. 295.
  10. ^ Isaacs, Corollary 19.5, p. 296.
  11. ^ Isaacs, Corollary 19.6, p. 296.
  12. ^ Isaacs, Corollary 19.9, p. 298.
  13. ^ Isaacs, Theorem 19.7, p. 297
  14. ^ Isaacs, p. 299.
  15. ^ Isaacs, Lemma 19.15, p. 300.
  16. ^ Isaacs, Corollary 19.17, p. 301.
  17. ^ Isaacs, Corollary 18.12, p. 281.
  18. ^ Isaacs, Theorem 19.14, p. 300.
  19. ^ a b Isaacs, p. 302
  20. ^ Lang 2002, Corollary V.6.2
  21. ^ Isaacs, Theorem 19.19, p. 302
  22. ^ Isaacs, Lemma 19.20, p. 302.
  23. ^ Isaacs, Corollary 19.21, p. 303.
  24. ^ Fried & Jarden (2008) p. 38.
  25. ^ Fried & Jarden (2008) p. 49.


「分離拡大」の続きの解説一覧

分離体拡大

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/11/05 09:34 UTC 版)

分離多項式」の記事における「分離体拡大」の解説

分離多項式分離拡大定義するのに使われる体拡大 K ⊂ L が分離拡大であるとは、K 上代数的なすべての α ∈ L に対して、α の K 上の最小多項式分離多項式であるときにいう。 非分離拡大分離的でない拡大)は正標数においてのみ起こり得る上記判定法から P が既約であって分離的なければ、P '(X) = 0 であるという結論をすぐに得る。したがって P(X) = Q(Xp) でなければならない。Q は K 上の多項式で、素数 p は標数である。 この手がかりを使って例を構成することができる。 P(X) = XpT p 個の元をもつ有限体上の不定元 T の有理関数体 K 上の多項式。ここで P(X)既約分離的でないことを直接証明できる。これは実はなぜ非分離性が問題になるかの典型的な例である。幾何学的に言えば P は座標を p 乗に写す有限体上の射影直線上の写像を表す。そのような写像有限体上の代数幾何学において基本的である。別の言い方をすれば、その設定においてガロワ理論では'見る'ことのできない被覆存在する。(よりレベルの高い議論radical morphism見よ。) L が体拡大 K(T1/p), であれば言い換えるとP の分解体であれば、L/K は純非分離体拡大の例である。それは次数 p だが、K を固定する自己同型恒等写像の他にもたないなぜならば T1/p は P の唯一の根だからである。このことはガロワ理論がここで使えなくなることを直接示している。そのような拡大のない体は完全と呼ばれる有限体が完全であることはアポステリオリにそれらの知られている構造から従う。 この例に対して体のテンソル積 L ⊗K L は 0 でない冪零元をもつことを証明できる。これは非分離性の別の表現である。つまり、体上のテンソル積演算は体の直積である環を生み出す要はない(なので可換半単純環でない)。L/K が分離拡大であることと L ⊗K L が被約であることは同値である。 P(x)分離的であり、その根が群(体 K の部分加法群)をなせば、P(x)加法的多項式である。

※この「分離体拡大」の解説は、「分離多項式」の解説の一部です。
「分離体拡大」を含む「分離多項式」の記事については、「分離多項式」の概要を参照ください。

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