分子病理疫学者として
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/20 08:27 UTC 版)
2007年以降、一般人および患者(特に癌患者)集団のリスクファクターへの暴露(環境、食生活、ライフスタイルおよび遺伝的因子など)と分子病理学的指標(大腸癌におけるKRAS変異、BRAF変異およびPIK3CA変異)との関連を仮説化し、立証する論文を多数発表している。2010年、荻野は、 分子病理学 と 疫学 を統合した 新たな 独立分野 として、 分子病理疫学という概念 を提唱した 。以来、分子病理疫学の概念は普及し、American Association for Cancer Research (AACR), Society for Epidemiologic Research (SER), および American Society of Preventive Oncology (ASPO)等の国際学会のテーマに加えられてきた。 分子病理疫学 から派生した概念として大腸の連続性モデル (the colorectal continuum model) を提唱した。 従来大腸癌の分子病理学的指標の捉え方して、口側と肛門側の2相としての区分(the two-colon concept)が主流であった 。荻野は 1,400を超える大腸癌患者のデータベースの解析から、マイクロサテライト不安定性(Microsatellite instability, 略してMSI)の頻度、CpG island methylator phenotype (CIMP) の頻度およびBRAF変異頻度が大腸の部位によって連続的に変化していることを証明した。 他の 分子病理疫学 から派生した概念としては "the GWAS-MPE approach" 、"the unique tumor principle" 、"the unique disease principle" 、"the etiologic field effect model"、"the integrative lifecourse epidemiology - MPE model" “the pharmaco-MPE model”、“the immuno-MPE model”がある。 2017年12月現在までの累計引用数は26,200を超え、h-indexは87である。原著論文の他に分子病理疫学のコンセプトや関連のパラダイムを展開した論文を多数発表している。
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