公職選挙法との関連
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 03:42 UTC 版)
「裁判官弾劾裁判所」の記事における「公職選挙法との関連」の解説
1980年7月16日、小倉簡易裁判所判事の安川輝夫が担当中の窃盗事件の被告人女性(当時31歳)を「執行猶予になるか、実刑になるかは私の手中にある」などと脅して旅館で肉体関係を持った上、この被告人に現金5万円を渡したとして最高裁から罷免訴追を請求されていた最中、福岡県久山町の町長選に突如として立候補し(結果は落選)、公職選挙法第90条によって自動的に退職となり、訴追委員会から審査を打ち切られたことがある(なお当時の町長選挙の供託金は25万円)。これにより、安川は弾劾裁判で罷免されることなく、1042万円の退職金の他、年間約200万円の年金も全額受給できることとなった(ただし後に安川は公務員職権濫用罪で起訴され、1985年7月16日に最高裁で懲役1年の実刑判決が確定して服役している。安川は、司法試験に合格することなく、裁判所書記官から任用された簡易裁判所判事であるため、法曹資格を有していなかった)。 この時、安川に対しては弾劾裁判による罷免で退職金に関する不利益を免れるために公職へ立候補して自動失職したとする批判が出た。このため、1981年には裁判官弾劾法の改正により同法に第41条の2が追加され、最高裁判所から罷免の訴追を請求されている、もしくは裁判官訴追委員会から罷免の訴追をされている裁判官については、公職選挙法第90条の規定は適用しないこととされた。
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