公式発表による開戦理由
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 21:44 UTC 版)
「イラク戦争」の記事における「公式発表による開戦理由」の解説
米英が主張した開戦事由は次の通り。 イラクは大量破壊兵器の保有を過去公言し、かつ現在もその保有の可能性が世界の安保環境を脅かしている 独裁者サッダーム・フセインが国内でクルド人を弾圧するなど多くの圧政を行っている 度重なる国連査察の妨害により、大量破壊兵器の廃棄確認が困難である 度重なる査察妨害によって、湾岸戦争の停戦決議である国連安保理決議687が破られている 国際連合安全保障理事会決議1154で「いかなる侵害も、イラクにとって最も重大な結果をもたらすであろう」という、湾岸戦争停戦協定破棄条件の決議、つまり最終警告がされていた。 決議1441では『最後の機会』が与えられたにもかかわらず、イラク側は査察に積極的な協力をしていない。 フセインとアルカイダが協力関係にある可能性がある まとめると、イラク戦争(第二次湾岸戦争)は、国連安保理決議1154、1441に基づき、第一次湾岸戦争の停戦協定(安保理決議687)を破棄し、なおかつ米英の先制的自衛権の行使として(アリ・フライシャー(英語版)報道官の言明)起こったものである。 フランス、ドイツなどは開戦するなら決議1441以外に新たな安保理決議を付加すべきと主張したが、1441は無条件の査察を求めているのに対してイラク側が条件をつけてきたため、米英及び同盟国は開戦に踏み切った。また、フランスは議論の初期には主戦派で、地中海にいた原子力空母「シャルル・ド・ゴール」のペルシャ湾派遣準備を進めていることがTVニュースなどでも盛んに報じられていたが、後になって態度を翻した。 ブッシュ政権は、開戦の理由はイラクが無条件査察を認めないことであって、イラク国内に大量破壊兵器が存在するという理由ではないと主張しているが、開戦前にブッシュ大統領やディック・チェイニー副大統領が「イラクは大量破壊兵器を保有している」とメディアを通して繰り返し広言していたため、開戦後に大量破壊兵器が発見されなかったことでこの戦争の『大義』が失われたという批判が巻き起こる結果となった。 2004年6月25日、ポーランド軍はイラクの遺棄化学兵器を発見した。
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