公式の記述
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 15:10 UTC 版)
「リーマン・フルヴィッツの公式」の記事における「公式の記述」の解説
向き付け可能な曲面 S に対し、オイラー標数 χ(S) は、 2 − 2 g {\displaystyle 2-2g\,} である。ここに、ベッチ数は 1, 2g, 1, 0, 0, ... であるので、g は種数(把手の数(number of handles)である。全射で次数が N の曲面の(不分岐な)被覆写像 π : S ′ → S {\displaystyle \pi :S'\to S} の場合は、公式 χ ( S ′ ) = N ⋅ χ ( S ) {\displaystyle \chi (S')=N\cdot \chi (S)} を得る。 オイラー標数が位相不変量(topological invariant)であるのでそのようにタイトルをつけたように、少なくとも、S の充分な三角化(英語版)(triangulation)を使うと、S の各々の単体は、S' の中でちょうど N 個で被覆されねばならないからである。リーマン・フルヴィッツの公式の役目は、(シートが互いに出くわすような)分岐をもつことを可能とする修正を(オイラー標数の定義へ)加えたことにある。 ここで、S と S' をリーマン面とし、写像 π を複素解析的と仮定する。写像 π は S' の上の点 P で分岐(ramified)しているとは、P の近傍で解析的な座標が存在し π(P) は π が π(z) = zn とn > 1 の形をとるような場合を言う。この考えと同じ方法は、P の周りに小さな近傍 U が存在し、π(P) がちょうど U にひとつ前像を持つが、U の他の点の像は U の中にちょうど n 個の前像を持つということである。n のことを P での分岐指数(英語版)(ramification index)と言い、eP で表す。S' のオイラー標数の計算では、π(P) 上で(すなわち、π(P) の逆像の中で) P のeP − 1 個のコピーが失われることに留意する。ここで、S と S' の三角化で、分岐している線での頂点、分岐点をそれぞれとり、これらを使いオイラー標数を計算する。すると S' は 0 とは異なる d 次元の面と同じ数を持つが、期待される頂点の数は少ない。従って、「正しい」公式は χ ( S ′ ) = N ⋅ χ ( S ) − ∑ P ∈ S ′ ( e P − 1 ) {\displaystyle \chi (S')=N\cdot \chi (S)-\sum _{P\in S'}(e_{P}-1)} であることが分かる(有限個の P を除いて eP = 1 なので、全く問題ない)。この公式は、リーマン・フルヴィッツの公式(Riemann–Hurwitz formula)、あるいはフルヴィッツの定理(Hurwitz's theorem)として知られている。
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