八臣瓢壺
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 13:23 UTC 版)
八臣瓢壺(はっしんのひさごつぼ)は瓢箪を素材とした壺で、賢聖瓢(けんじょうのひさご)、春秋瓢とも言う。七種宝物のなかで八臣瓢壺のみ、法隆寺献納宝物から東山御文庫に移管された後、現在は宮内庁三の丸尚蔵館に収蔵。唐代(8世紀から9世紀)の製作とされる。『御縁由』には「孔子等の像が自然に顕れた。儒学興隆の印」と記されている。 胴には松・柳・竹・棕櫚と、9人の唐風人物が浮き出しで描かれ、蓋の甲にも唐花文が浮き出しで表される。描かれる人物の名前はそれぞれ、孔夫子・栄啓期(中国語版)・鬼谷先生・蘇秦・張儀・四皓(中国語版)(綺里季、東園公、夏黄公、甪里先生の4賢人)と楷書体で浮き出しに記されている。これを合わせると9人であるが、栄啓期は臣家の出ではないためこれを除いた八臣と名付けられたと考えられる。浮文様は、浮彫した型を瓢箪が小さな時期に被せ、実の成長と共に型に食い込む事を利用して浮き出しにされたと考えられる。こうした壺は中国の六朝期から唐期にかけて酒器に用いられたが、法隆寺の古記録では餌を入れる容器として使用されていたと記されている。全高16.5㎝口径11.6㎝。
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