入院時生活療養費
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/08 01:11 UTC 版)
「入院時食事療養費」の記事における「入院時生活療養費」の解説
特定長期入院被保険者には入院時食事療養費は支給されず、代わって入院時生活療養費が支給される。なお「特定長期入院被保険者」とは、療養病床に入院する65歳(平成18年10月~平成20年3月の間は70歳)以上の被保険者のことをいう。平成18年の改正法施行により導入された。 患者は医療上の必要性から入院しており、病院での食事・居住サービスは、入院している患者の病状に応じ、医学的管理の下に保障する必要があることから、医療保険においては、食費に加え居住費についても保険給付の対象とするものである。一方、療養病床については、介護病床と同様に「住まい」としての機能を有していることに着目し、介護施設において通常本人や家族が負担している食費及び居住費を医療保険においても自己負担化するものである。介護保険との制度の均衡を図る目的で設けられている(平成17年10月より、介護保険では、介護療養病床を含む介護保険3施設における食費及び居住費が原則として保険給付外となっている)。 特定長期入院被保険者が、保険医療機関等のうち自己の選定するものから療養の給付と併せて受けた「食事の提供である療養」「温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成である療養」に要した費用については、生活療養標準負担額を被保険者が窓口負担し、残余の額について、保険給付(現物給付)される(第85条の2)。被扶養者の入院時生活療養にかかる給付は、家族療養費として給付が行われる(第110条)。 保険医療機関等は、入院時生活療養費に係る療養に要した費用につき、その支払を受ける際、当該支払をした被保険者に対し、正当な理由がない限り、個別の費用ごとに区分して記載した領収証を無償で交付しなければならず(第85条の2第5項、保険医療機関及び保険医療養担当規則第5条の2)、領収証には、入院時生活療養費に係る療養について被保険者から支払を受けた費用の額のうち生活療養標準負担額とその他の費用の額とを区分して記載しなければならない(施行規則第62条の2)。 入院時の生活療養の温度、照明及び給水に関する療養環境は医療の一環として形成されるべきものであり、それぞれの患者の病状に応じて適切に行われるべきものである(平成18年3月6日保医発第0306009号)。保険医療機関は、その入院患者に対して生活療養を行うに当たっては、病状に応じて適切に行うとともに、その提供する食事の内容の向上並びに温度、照明及び給水に関する適切な療養環境の形成に努めなければならない。保険医療機関は、生活療養を行う場合には、当該療養にふさわしい内容のものとするほか、当該療養を行うに当たり、あらかじめ、患者に対しその内容及び費用に関して説明を行い、その同意を得なければならない。保険医療機関は、その病院又は診療所の病棟等の見やすい場所に、生活療養の内容及び費用に関する事項を掲示しなければならない(保険医療機関及び保険医療養担当規則第5条の3の2)。
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