にゅうりょく‐フォーカス〔ニフリヨク‐〕【入力フォーカス】
フォーカス
【英】focus
フォーカスとは、英語で「焦点」を意味する言葉である。IT関連の用語としては、対象に照準を合わせるといった意味で複数の場面で用いられる。
カメラ用語としてのフォーカスとは、被写体にピントを合わせることである。レンズと露光部分との焦点距離を調節することによってフォーカスの調整が行われる。自動的に最適なフォーカスを定める機構はオートフォーカス(AF)、手動で微調整する機構をマニュアルフォーカス(MF)と呼ばれる。コンデジやデジイチ、カメラ付き携帯電話といったデジタルカメラの部類の大半にはオートフォーカスの機能が付いている。
PCにおいては、デスクトップ上に複数のウィンドウが開かれているとき、現在操作可能なウィンドウ(アクティブウィンドウ)を指定しているもののことである。この場合、特に入力フォーカスと呼ばれることもある。キーボードから入力操作を行うことが可能となっているウィンドウは、入力フォーカスを持っている状態であると形容される。入力フォーカスを持っているウィンドウは最前面に表示される。加えて、大抵の場合はタイトルバーなどが比較的鮮明な色彩で表示され、それ以外のウィンドウは退色で表示することによって、視覚的な区別ができるようになっている。Windowsでは。ウィンドウごとのフォーカスはAltキー+Tabキーのキーボードショートカットで切り替えることができる。
また、アプリケーションやWeb上のフォームなどにおいて、複数ある入力ボックスのうちカーソルがある入力ボックスを指して、フォーカスがあると表現することもある。入力ボックスのフォーカスはIビームの明滅などによって判別することができる。
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フォーカス (GUI)
(入力フォーカス から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/05 15:51 UTC 版)
フォーカス(英: focus)は、グラフィカルユーザインタフェース (GUI) で現在入力を受け付けるよう選択されているコンポーネントを示す概念である。キーボード入力またはクリップボードのペーストは、その時点でフォーカスを持っているコンポーネントに送られる。
この概念は、テキスト環境でのカーソルに似ている。しかし、GUIでは同時にマウスカーソルも関係してくる。マウスを動かすとマウスカーソルも動くが、フォーカスは変化しない。フォーカスは通常、マウスボタンのクリックでフォーカスを付与するコンポーネントを指定することで変更する。多くのデスクトップ環境では、キーボードからもフォーカスを変更できる。一般に「タブ」キーを押す毎に順次フォーカスを付与されるコンポーネントが変わっていき、⇧ Shift+⭾ Tabで逆順に変化していく。状況によっては、矢印キーでフォーカスを動かす場合もある。
ウィンドウフォーカス
デスクトップでのフォーカスの振る舞いは、ウィンドウ管理のポリシーが支配している。マイクロソフトやAppleのGUIでは、クリックに追随してフォーカスが移動するFFC[1]である。すなわち、あるウィンドウ内でマウスをクリックすると、そのウィンドウがフォーカスを得る。その際に同時にそのウィンドウが最前面に表示される。
UNIXの X Window System では、マウスの移動に追随してフォーカスが移動するFFM[2]というポリシーもある。すなわち、マウスカーソルの現在位置に従ってフォーカスがウィンドウからウィンドウへ移動する。このポリシーの当然の帰結として、マウスカーソルの下が背景であってどのウィンドウの上でもない場合、どのウィンドウにもフォーカスがない状態になる。そこで、マウスカーソルがどのウィンドウ上でもない場所に移動したときは、直前までフォーカスを持っていたウィンドウが引き続きフォーカスを保持するというポリシー(英: sloppy focus)もある。なお上述のとおり、マイクロソフトのGUIは通常FFCポリシー動作だが、Windows 10ではコントロールパネルでの設定によりFFMポリシーで動作させることも可能になっている。
どのポリシーがよいかは議論の分かれるところである。FFMの場合、マウスに何かが当たるなどしてマウスカーソルが意図せずに移動したとき、知らないうちにフォーカスも移動するという状況があり、初心者が戸惑うことがある。しかし、慣れてくると便利であり、特にフォーカスを得たウィンドウを最前面にしないポリシーと組み合わせると、様々な制御が可能になる。例えば、大きなウィンドウが背面にあって小さなウィンドウが前面にあり、これらウィンドウ間のコピー・アンド・ペーストをするときに、ウィンドウ配置(前後関係)を全く変えることなく実行できる(⎇ Alt+⭾ Tab でアクティブウィンドウを切り替える必要がない)。
FFMは、メニューバーが個々のウィンドウ内に組み込まれているようなインタフェースでのみ実施可能である。macOS のように単一のグローバルなメニューバーが画面上端にある場合、画面下部にある小さいウィンドウのメニューを使おうとすると、まずそのウィンドウにマウスカーソルを移動させてフォーカスを与え、続いて画面上端まで他のウィンドウを横切ることなくマウスカーソルを移動させなければならない。したがって、非常に使いにくくなる。
ウィンドウ内のコンポーネントのフォーカス
テキストの入力や編集ができるコンポーネントには、それぞれにカーソルが存在する。そして、そのカーソル位置でテキスト編集をするには、そのコンポーネントにフォーカスが無ければならない。
ウィンドウ内でどのコンポーネントがデフォルトでフォーカスを得るか、コンポーネント間でどのようにフォーカスを移動するのか、はインタフェース設計の重要だが難しい問題である。間違ったところにフォーカスがあると、ユーザーはフォーカスの移動に時間を浪費することになる。逆に適切なところにフォーカスがあれば、ユーザーエクスペリエンスの向上につながる。
関連項目
脚注
入力フォーカスと同じ種類の言葉
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