元期における衛星の位置
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/26 09:23 UTC 版)
「人工衛星の軌道要素」の記事における「元期における衛星の位置」の解説
(右図の説明は, 平均近点角, 真近点角などの解説ページと矛盾しているので注意。すなわち, 右図の平均近点角Mは, 上述ページの中ではEであり, 平均近点角Mではない。) 特定の日時(元期)において衛星が軌道上のどの地点にいるかを示すのが平均近点角 M {\displaystyle M} である 。これは、図形的には真近点角 v {\displaystyle v} あるいは離心近点角 E {\displaystyle E} のほうが理解しやすく、図のような関係にある。なお、円軌道( e = 0 {\displaystyle e=0} )においては M = E = v {\displaystyle M=E=v} である。 なお、平均運動(1日に軌道を周回する回数)と、軌道の(半)長径との関係はケプラーの第3法則により一意に定まるので、平均運動が軌道の大きさを示すことになる。実用上は、軌道の長径を直接測定できないが、周期(周回速度の逆数)は測定できるため、人工衛星のパラメータとしてはもっぱら平均運動を用いる。 これらの説明は、2体問題の解であるが、地球は球対称でなく、赤道半径が長い回転楕円体(扁球)に近いため、また月や太陽の重力、太陽の輻射圧により軌道要素は時々刻々と変動する(摂動)。さらに、低高度(高度800km以下)の衛星の場合、上層大気による抵抗(ドラグ)によって減速されて次第に高度が下がる。 人工衛星の高度を維持するためには、場合によってはスラスタ等の推進力を用いて加速することで下がった軌道を持ち上げる操作を行う必要がある。 軌道要素は変動するため定期的な更新が必要であり、人工衛星の運用にあたっては軌道の測定が重要である。アメリカ合衆国のNORADは定期的に大きさ10cm以上の人工天体のレーダー観測を行って軌道を測定しており、これらのうち軍事機密でないものはWebで入手可能である。このフォーマットはTLE(Two Line Element)と呼ばれる。 外部リンクに上げたCelesTrakなどで公開しているTLEの例(「みどりII」の例) ADEOS II 1 27597U 02056A 03154.76144939 -.00002335 00000-0 -96480-3 0 16372 27597 98.7101 228.1327 0000680 94.9473 265.1789 14.25759802 24471 フォーマットの解説はリンク先を参照されたい。 Line 1Column Characters Description----- ---------- ----------- 1 1 Line No. Identification 3 5 Catalog No. 8 1 Security Classification10 8 International Identification19 14 YRDOY.FODddddd34 1 Sign of first time derivative35 9 1st Time Derative45 1 Sign of 2nd Time Derivative46 5 2nd Time Derivative51 1 Sign of 2nd Time Derivative Exponent52 1 Exponent of 2nd Time Derivative54 1 Sign of Bstar/Drag Term55 5 Bstar/Drag Term60 1 Sign of Exponent of Bstar/Drag Term61 1 Exponent of Bstar/Drag Term63 1 Ephemeris Type65 4 Element Number69 1 Check Sum, Modulo 10Line 2Column Characters Description----- ---------- ----------- 1 1 Line No. Identification 3 5 Catalog No. 9 8 Inclination18 8 Right Ascension of Ascending Node27 7 Eccentricity with assumed leading decimal35 8 Argument of the Perigee44 8 Mean Anomaly53 11 Revolutions per Day (Mean Motion)64 5 Revolution Number at Epoch69 1 Check Sum Modulo 10
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