偽小穂の構造
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/03 02:32 UTC 版)
偽小穂は包頴、護頴、内頴、鱗皮を欠き、両端が尖った円柱状で、全体がまとまって脱落するようになっており、11か12個の苞葉から構成される。これらの苞葉は4方向に向かい、らせん状に配置する。最初の5枚の苞葉は短く、膜質で緑っぽい藁色で、基部は不規則な切り取った形で、その先端部には切れ込みがあるかまたは歯状の突起がある。苞葉のI~IIIは花序の花軸に面しており、また苞葉のIVとVよりやや小さい。VIの苞葉はI~Vと滑らかで曲がった節間によって仕切られている。VIの苞葉は大きくて硬くなっており、わずかに基部が嚢状になっており、はっきり見えないが多数の脈があり、先端に長い芒がある。苞葉のVIIとVIIIは互いによく似ており、共に苞葉VIに向かい合う位置にあり、時としてその基部で融合していて、三角形に近い槍の穂形、硬くなっており、その先端部は互いに反対向きに反りかえる。IXの苞葉は上に突き出た小さな鍔のような形で存在し、苞葉VIIとVIIIの付着部と向かい合っている。苞葉X~XIIはほぼ同型で、革質、槍の穂形で芒はなく、はっきりした脈があり、3つで以て小花を囲む構造を作っているが、それぞれの縁は重なっている。雄蕊群は6本の雄蕊からなり、偽小穂から突き出すが垂れ下がることはなく、花糸は葯とはその基部からほんの少しの長さで繋がっている。子房は無毛。雌蘂群は柱頭が3裂しており、剛毛がある。果実は線状楕円形の頴果で、臍(果実が胎座につく位置)は線状(あるいは果実の中央で幅広くなっている)、せいぜい果実の長さの2/3を占めるまで。胚は小さくて基部にあり、エピブラストはない。 なお、Sajo et al.(2008)は S. spicata について詳細に観察し、偽小穂の苞葉を12でなく11としている。これは第6の苞葉(芒を持つもの)より上の苞葉の数が異なり、第6と雄蕊雌蘂を囲む3枚との間にある苞葉が3枚でなく2枚、とのことである。
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