例:ネコとネズミ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/07 05:34 UTC 版)
5つの一列に並んだ箱と単位時間ずつ進むタイマーがあり、時刻0で、1番目の箱にはネコが、5番目の箱にはネズミが入っているとする。タイマーが進むたびに、ネコとネズミは隣の箱に全くのランダムに飛び移る。 例えば、ネコが2番目の箱・ネズミが4番目の箱に入っていれば、次の時刻にネコが1番目の箱・ネズミが5番目の箱にいる確率は 1/4、ネコが1番目の箱・ネズミが5番目の箱に入っていれば、ネコが2番目の箱・ネズミが2番目の箱に移る確率は 1 である。ネコとネズミが同じ箱に飛び移った時点でネコはネズミを食べてしまうものとし、これを「ゲーム終了」の時刻とする。確率変数 K でゲーム終了までの時間を表すことにする。 このゲームを表すマルコフ連鎖は以下のような(ネコ,ネズミ)の5通りの状態で表せる。状態の組み合わせは単純に数えると25通りだが、「ネズミの箱の番号はネコの箱の番号より小さくはならず」、「2つの箱の番号の和は偶数でなければいけない」ことから、多くの組み合わせは排除される。また、ネズミがネコに食べられる3つの場合は1つの状態としてまとめるものとする: 状態 1: (1,3) 状態 2: (1,5) 状態 3: (2,4) 状態 4: (3,5) 状態 5: ゲーム終了 (2,2), (3,3), (4,4) 以下の行列 P {\displaystyle P} で、このゲームの遷移確率を表す(行と列の番号は上記の状態の番号と対応する:行番号が遷移前の状態で、列番号が遷移後の状態:1-8)。例えば状態 1 から始めたとすると、この状態に留まったり、状態 2、状態 4 に遷移することはできない( P 11 = 0 , P 12 = 0 , P 14 = 0 {\displaystyle P_{11}=0,P_{12}=0,P_{14}=0} )が、状態 3 または 5 への遷移は可能である( P 13 , P 15 ≠ 0 {\displaystyle P_{13},P_{15}\neq 0} )。 P = [ 0 0 1 / 2 0 1 / 2 0 0 1 0 0 1 / 4 1 / 4 0 1 / 4 1 / 4 0 0 1 / 2 0 1 / 2 0 0 0 0 1 ] {\displaystyle P={\begin{bmatrix}0&0&1/2&0&1/2\\0&0&1&0&0\\1/4&1/4&0&1/4&1/4\\0&0&1/2&0&1/2\\0&0&0&0&1\end{bmatrix}}}
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