例会にいた会員たち
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/03 00:42 UTC 版)
森田必勝から封書2通を託されていた田中健一は、三島のメモの指示通りに「11時」という時刻を厳守し、市ヶ谷会館の玄関受付のところで徳岡孝夫に封書を渡した。 この日の例会に呼ばれていたのは、田中のほか、篠原裕(1期生)、鶴見友昭(3期生)、西尾俊一(4期生)、井上豊夫(4期生)、谷中俊男(4期生)、金子修一(5期生)、村田春樹(5期生)など約30名だった。 市ヶ谷駐屯地内がパトカーのサイレンで騒がしくなる中、代表の者に取り次いでほしいと市ヶ谷会館にかかってきた電話で、三島らの行動を知った田中と西尾と鶴見は作業服に着替え、隣室にいた約30名の会員にも作業服に着替えるように指示した。 2隊に分かれ突っ込もうかと西尾と田中らは相談し一旦部屋から出て、まもなく戻ると、「先生の指示があるまでしばらく待機せよ」と会員らに命じた。この時、市ヶ谷会館は警察に包囲されていた。部屋にあったラジオで、三島と必勝が割腹自決したニュースを詳しく知った11時45分頃、田中は全員を制服に着替えさせ、会館の玄関前に整列させた。 田中はその時、あとの指揮を鶴見に任せ、特殊警棒を振り回しながら警官隊を突破しようとした。西尾と今井丈美(千葉経済大学、5期生)もそれに続き、3人は公務執行妨害で逮捕された。 残った会員たちは任意同行を求められ、整列して「君が代」を斉唱した後、「天皇陛下万歳」を三唱して、四谷警察署、新宿警察署などにバスで連れて行かれた。各人の取調べは夜22時頃まで続き、夕食に丼物が出された。
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