作戦段階
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/12/16 00:55 UTC 版)
EABOの第一段階は、海兵隊が着上陸して地域を確保し、EABを設定することである。EABを迅速に設定する必要から、敵の配備がないか手薄な島嶼が選ばれる。またC-130やC-17といった輸送機の離着陸が可能な滑走路(長さ1,500メートル以上)があることも条件となる。着上陸は敵脅威圏内で行われるため、大型の揚陸艦ではなく、輸送機やヘリコプター、MV-22Bや小型輸送艇などを利用して、迅速かつ分散して行われる。 EABを設定すると、作戦は第二段階へ移行し、ここを拠点としてC4ISR活動や火力投射、兵站活動などを実施する。F-35B戦闘機や各種の無人航空機がEABを拠点として作戦を行うほか、EAB自身も長距離精密火力による火力投射を行う。ただし海兵隊の長距離精密火力の中核となるHIMARSは、元来は対地兵器として開発されたものであったことから、ここから発射するATACMS短距離弾道ミサイルを対艦兵器として改修しての攻撃実験が行われた。また専用の対艦ミサイルの導入も図られており、2021年度では、NSMの地対艦ミサイル仕様を海軍・海兵隊遠征対艦阻止システム(NMESIS)として盛り込んだほか、対艦攻撃型のトマホーク巡航ミサイルの取得も計画されている。 留意すべき点として、EABは敵脅威圏内にあるために経空脅威や特殊部隊などの襲撃を受けるリスクが高いことがある。このため、展開した部隊は短時間で任務を終えて、速やかにEAB内で陣地変換するか、他のEABに移動する必要がある。この陣地変換・移動がEABOの第三段階であり、これらの3つの段階を繰り返していくことになる。 キャストアウェイ21.1演習でのEABOの様相 ヘリボーンのためMV-22B輸送機に搭乗する海兵隊員 伊江島補助飛行場で給油を受けるF-35B戦闘機 KC-130J輸送機から卸下されるHIMARS
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