作刀の特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/25 18:22 UTC 版)
棟の重ねが薄く鎬筋高く、平肉が付かない造り込みに特徴がある(初代から3代まで)。茎はヤスリ目鷹羽で浅い栗尻。片手打ちの打刀(2尺前後)が多く見られる時期(永享から天文頃)に活躍した刀工の中では、比較的長寸の両手打ち(2尺3寸前後)の刀が多い。他に、平造りの小脇差、短刀、槍の遺作を見る。 鍛えは、板目肌が流れ肌立ち、鎬地柾目となり、白ける。但し、例外的に小板目肌が良くつむものがある。 焼刃は所謂「三本杉」が著名。互の目尖り刃が一定の間隔で連なる様を三本杉と呼び、古来より「関の孫六三本杉」として広く知られる特色の有る刃文である。初代は三本杉の刃文も不揃いであるが、後代は規則正しくなる。更に、初代、2代の三本杉は焼き低く、処々欠け出すものが多く、匂口に柔らか味がある一方で、後代になると、絵画的な三本杉となり、匂口が締まり技量が劣る。また、稀に直刃を焼くこともあるが、どこかに尖り刃が入る傾向にある。いずれの刃を焼いても、帽子は寄り地蔵ごころとなる。
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