体積平均ビリアル応力の定義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/11 16:55 UTC 版)
「ビリアル応力」の記事における「体積平均ビリアル応力の定義」の解説
体積平均ビリアル応力の瞬時値は次の式により与えられる。 τ i j = 1 Ω ∑ k ∈ Ω ( − m ( k ) ( u i ( k ) − u ¯ i ) ( u j ( k ) − u ¯ j ) + 1 2 ∑ ℓ ∈ Ω ( x i ( ℓ ) − x i ( k ) ) f j ( k ℓ ) ) {\displaystyle \tau _{ij}={\frac {1}{\Omega }}\sum _{k\in \Omega }\left(-m^{(k)}(u_{i}^{(k)}-{\bar {u}}_{i})(u_{j}^{(k)}-{\bar {u}}_{j})+{\frac {1}{2}}\sum _{\ell \in \Omega }(x_{i}^{(\ell )}-x_{i}^{(k)})f_{j}^{(k\ell )}\right)} ここで、以下の変数を用いた。 k {\displaystyle k} および ℓ {\displaystyle \ell } :領域内の原子を表わす添字 Ω {\displaystyle \Omega } :領域の体積 m ( k ) {\displaystyle m^{(k)}} :原子kの質量 u i ( k ) {\displaystyle u_{i}^{(k)}} :原子kの速度ベクトルのi成分 u ¯ j {\displaystyle {\bar {u}}_{j}} :領域内における原子の平均速度ベクトルのj成分 x i ( k ) {\displaystyle x_{i}^{(k)}} :原子kの位置ベクトルのi変形テンソルについて成分 f i ( k ℓ ) {\displaystyle f_{i}^{(k\ell )}} :原子 k {\displaystyle k} に別の原子 ℓ {\displaystyle \ell } から及ぼされる力 絶対零度における表式は、すべての速度がゼロになるため以下の通りに単純化できる。 τ i j = 1 2 Ω ∑ k , ℓ ∈ Ω ( x i ( ℓ ) − x i ( k ) ) f j ( k ℓ ) {\displaystyle \tau _{ij}={\frac {1}{2\Omega }}\sum _{k,\ell \in \Omega }(x_{i}^{(\ell )}-x_{i}^{(k)})f_{j}^{(k\ell )}} この量は次のように解釈することができる。τ11 成分は x1 方向の力を、この方向に垂直な面の面積で割った値である。このような平面で区切られた2つの隣接する領域について考えると、その境界面における応力の11成分は、面の両側にある原子間に働く相互作用のの総計となる。 したがって、体積平均ビリアル応力は、ビリアル応力の瞬時値を体積平均したものアンサンブル平均(英語版)である。 3次元等方系の平衡状態においては、原子スケールの「瞬時」圧力は、負の応力テンソルの対角成分の平均により定義される。 P a t = − 1 3 Tr ( τ ) {\displaystyle {\mathcal {P}}_{at}=-{\frac {1}{3}}\operatorname {Tr} (\tau )} そして、圧力は瞬時圧力のアンサンブル平均により定義される。 P a t = ⟨ P a t ⟩ {\displaystyle P_{at}=\langle {\mathcal {P}}_{at}\rangle } これが領域 Ω {\displaystyle \Omega } 内の平均圧力である。
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