体制の一般的性格
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/13 08:38 UTC 版)
1930年代にスターリニズムに基いて成立した一国型社会主義(特にその国家体制)を指してソ連型社会主義とも呼ばれるこれらの国家が実現したものを社会主義と呼ぶべきかどうかについて長い間、非スターリニズムの党派・活動家の間では議論が戦わされた。ソ連邦およびスターリン、ソ連共産党、コミンテルン系譜の共産党を支持しない社会主義者からは社会主義の語から区別するために「官僚的に歪められ、堕落した労働者国家」(トロツキー)、「官僚的集産国家」(マックス・シャハトマン -トロツキー派から分裂したアメリカの活動家)、「国家資本主義」(トニー・クリフ -トロツキー派から分裂したイギリスの活動家)、「赤色帝国主義」(黒田寛一)、「スターリニスト官僚国家」(中核派など)などと規定された。 なお、「ローザ主義者」およびアナキストはレーニン時代のボリシェヴィキ、あるいはトロツキズムもスターリニズムのルーツとして批判し、同質の強権的な「国家共産主義」として批判している。1991年のソビエト連邦の崩壊以降、世界各国の共産党は党名の変更および社会民主主義への転向を大勢とし、影響力の低下は否めない。それとともに、残存共産党の「スターリニズム」の体質の弱まりも指摘される。 カール・ウィットフォーゲルはアジア諸国の制度の研究から「東洋的専制主義」の概念をつくり、これを適用してスターリニズムを説明しようとした。実際、西側諸国では地理的にも政治的にも民族的にも旧ソ連はヨーロッパとは異質の存在(東方正教会文明)とされ、ユーラシアや北アジアと扱われた。また、孫文の大アジア主義はソ連をアジアの国としている。
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