低分子有機物
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/20 15:34 UTC 版)
rhizodipositの成分で最も大きい割合を占めるのは糖やアミノ酸だと考えられている。ただしこの見解は、根圏を懸濁させて溶液を得てこれを濾過して分析した結果に基づくため、脱落細胞の存在は考慮されていない。糖やアミノ酸のほか、rhizodipositには、有機酸、プリン、ヌクレオシドといった低分子有機物がある。これら有機物は、微生物により栄養として直接、摂取されることができる。有機酸は根圏微生物の養分となったり、土壌鉱物(Ca、Fe、Al)のリン酸塩からリン酸を溶出させたりする。これらとは別に、根圏には植物の二次代謝産物もある。二次代謝産物は根圏微生物に様々な影響を及ぼす。 特に、滲出物中のフラボノイドの割合は大きい。例えばシロイヌナズナでは根から滲出する二次代謝産物のうち37%が、ケルセチンを主とするフラボノイドである。根圏中のフラボノイドは根圏細菌の生育を抑制したり促進したりする。ファイトアレキシンは抗菌活性を示す。マメ科植物は、根粒菌の生育を活性化するためのシグナル分子としてフラボノイドを分泌する。 植物の根からネギは揮発性硫黄化合物であるアルキルシステインスルフォキシドを根から分泌する。この揮発性化合物は、病原性菌類Sclerotium cepivorumの菌核の発芽を誘導することが知られている。
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