位相群の同型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/09/09 21:15 UTC 版)
円周群は数学的に様々な形でその姿を明らかにする。よく知られた形のうちのいくつかを以下に挙げよう。特に知るべきは位相群の同型 T ≅ U ( 1 ) ≅ R / Z ≅ SO ( 2 ) {\displaystyle \mathbb {T} \cong \mathbb {U} (1)\cong \mathbb {R/Z} \cong \operatorname {SO} (2)} である。斜線 / は剰余群を表している。 1次ユニタリ行列全体の成す集合は円周群に一致する。つまり、円周群は一次のユニタリ群に自然同型である。 純虚指数函数は実数の加法群 R から円周群 T への群準同型 exp: R → T θ ↦ e i θ = cos θ + i sin θ {\displaystyle \theta \mapsto e^{i\theta }=\cos \theta +i\sin \theta } を与える。最後の等号はオイラーの公式である(あるいは複素指数函数を参照)。この実数 θ は単位円上で正の実軸から反時計回りに測った弧度法による角度に対応するものである。単位複素数同士の乗法は角度の和になるという事実: e i θ 1 e i θ 2 = e i ( θ 1 + θ 2 ) {\displaystyle e^{i\theta _{1}}e^{i\theta _{2}}=e^{i(\theta _{1}+\theta _{2})}} により、上記の群準同型写像は同相である。またこの指数写像は明らかに R から T への全射となるが、単射でなく、準同型の核は 2π の整数倍全体の成す集合となるから、第一同型定理により T ≅ R / 2 π Z {\displaystyle \mathbb {T} \cong \mathbb {R} /2\pi \mathbb {Z} } を得る。角度にスケール変換を施せば T ≅ R/Z も同様に言える。 複素数は実二次正方行列としても実現できる(複素数#行列表現を参照)。そのとき単位複素数は行列式 1 の直交行列に対応する。具体的には e i θ ⟷ ( cos θ − sin θ sin θ cos θ ) {\displaystyle e^{i\theta }\longleftrightarrow {\begin{pmatrix}\cos \theta &-\sin \theta \\\sin \theta &\cos \theta \end{pmatrix}}} と対応する。したがって、円周群は二次の回転群 SO(2) に同型である。この同型を幾何学的に解釈すれば、単位複素数による乗法は複素数平面上の通常 (proper) の回転を与え、またそのような回転はこの形に書けるということを表している。
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