伝統こけしの系統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/29 02:15 UTC 版)
伝統こけしは産地によって特徴に違いがあり、主な物は下記の各系統(主産地・県)に分類することが出来る。 土湯系(土湯温泉、飯坂温泉、岳温泉・福島) 頭部には蛇の目の輪を描き、前髪と、鬘の間にカセと呼ぶ赤い模様がある。胴の模様は線の組み合わせが主体。 弥治郎系(白石市弥治郎・宮城) 頭頂にベレー帽のような多色の輪を描き、胴は太いロクロ線と簡単な襟や袖の手書き模様を描く。 遠刈田系(遠刈田温泉・宮城) 頭頂に赤い放射線状の飾りを描き、さらに額から頬にかけて八の字状の赤い飾りを描く。胴は手書きの花模様で菊や梅を重ねたものが一般的、まれに木目模様などもある。 鳴子系(鳴子温泉・宮城) 首が回るのが特徴。首を回すと「キュッキュ、キュッキュ」と音がする。胴体は中ほどが細くなっていて、極端化すれば凹レンズのような胴体を持つ。胴体には菊の花を描くのが通常である。 作並系(仙台市、作並温泉、山形市、米沢市、寒河江市、天童市・宮城、山形) 山形作並系ともいう。また山形を独立系として扱う場合もある。 頭頂に輪形の赤い飾りを描き、胴は上下のロクロ線の間に菊模様が描かれる。 山形系(山形市・山形) 前髪と左右両側に髪の毛が描かれ、赤い髪飾りがあるのが一般的で、胴の模様は、桜、4枚の花弁の梅、ロクロ線などです。 蔵王系(蔵王温泉・山形) 頭頂に赤い放射状の手柄を描くが黒いおかっぱ頭もある。胴は菊や桜のほか、いろいろな植物を描く。 肘折系(肘折温泉・山形) 頭部は赤い放射線か黒頭で、胴模様は菊、石竹などが多い。 木地山系(木地山・秋田) 頭部には大きい前髪と鬘に、赤い放射線状の飾りを描く。胴は前垂れ模様が有名だが、菊のみを書いた古い様式もある。 南部系(盛岡、花巻温泉・岩手) おしゃぶりとして作られた無彩のキナキナが原型。簡単な描彩を施すものも作られる。キナキナ由来で頭がぐらぐら動くのが特徴。 津軽系(温湯温泉、大鰐温泉・青森)温湯系ともいう。 単純なロクロ模様、帯、草花の他、ネブタ模様などを胴に描く。 これらの系統に含まれない伝統こけし(中ノ沢こけし(猪苗代町・福島)など)も存在する。 こけしの工人については、工人中心の百科事典「Kokeshi Wiki」 が詳しい。
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