代表作「ヒトラー」
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「アラン・ブロック」の記事における「代表作「ヒトラー」」の解説
1952年に、ブロックは「ヒトラー:専制政治の一例」を出版する。これは、ヒトラーに関する包括的な最初の伝記だが、ブロックが、ニュルンベルク裁判での記録に基づいて執筆された。この著作は長期にわたり、ヒトラー研究の決定版とされた。ヒトラーは、日和見主義の権力政治を行った人物として描かれている。ブロックの意見では、ヒトラーは、「ぺてん師」であり、日和見主義の山師でしかなく、自分の行動についての信条、信念、良心の呵責といったものを欠いた人物であり、その生涯にわたる行動は、権力欲のみによって突き動かされてきた、としている。ブロックの考え方は、1950年代を通してヒュー・トレヴァー=ローパーとの間で論争となるが、ローパーは、ヒトラーのことを「それは嫌悪感をもたらすようなものではあったろうが、それでも彼は自己の信条を持っていたはずだ」とし、「ヒトラーはそうした信条に基づいて行動したのだ」と主張していたのである。ガーディアン紙のブロックの死亡記事には、「ブロックの有名な格言『ヒトラーは陰謀によってその権力の座にすわらされた』は、時の試練に耐えた」と記されていた。 1991年にザ・タイムズ紙上で「ヒトラー:専制政治の一例」が論評された際には、ジョン・キャンベルが、「戦後すぐに著されたにもかかわらず、そして最新の証拠と解釈の見直しが常に行われてきたにもかかわらず、この著作を越えるものが40年近く出版されていない。驚くべき成果である」と書いている。 後にブロックの著作では、ヒトラーに対する評価に多少の変化があった。それらの著作では、ヒトラーは独裁者としてよりも夢想家として登場し、「わが闘争」で表された理想を追究する人物として-その結果はいわずと知れているにもかかわらず-描かれている。これが、世間一般に広く受け入れられているヒトラーに対する見方であり、特にホロコーストに関しては、こうした見方が一般的なものとなっている。[要出典]
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