代表作「朝の祈り」
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代表作「朝の祈り」は、日露戦争のさなか描かれた。1906年に完成し、翌年の第一回文部省美術展覧会(文展。現在の日展に相当)に入選したこの作品は、丸いちゃぶ台を囲んで、母親と四人の子どもが祈っている情景が描かれている。この絵は、林の家庭の祈りであると林がみずからが語っている。 ただ、部屋の壁には軍刀と軍服姿の肖像画が描き込まれており、この家庭が出征軍人の遺家族であるでることを思わせる。札幌のキリスト教界で交錯する戦争支持論と非戦論がこの作品にどのように関連するか、関説するものはないが、林は、日露戦争のことを描いて、戦争を鼓舞するような作品とはしなかったという。 この絵の北海道絵画史の位置づけについては、鈴木正實「キリスト教的精神風土と北海道の洋画―二人の指導者を中心に(1)」に詳しく書かれている。 日展史編纂委員会編『日展史』一、文展編(日展、1980年7月)によれば、文展に出陳したときのこの作品の題は、「有心無心」であったとのことである。 「朝の祈り」は北海道立近代美術館に収蔵されている。
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