人物の匂宮
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/11/12 14:09 UTC 版)
今上帝の三の宮(第三皇子)で、母は光源氏の娘の明石の中宮。源氏の外孫にあたる。五十四帖中「若菜」から「蜻蛉」まで登場。 幼い頃、姉の女一宮と共に紫の上に育てられる(「若菜」)。彼は特に実子同然に可愛がられ、紫の上の死後は彼女が所有していた二条院を自分の住まいとしている。六条院で一緒に育った弟分の薫に常に対抗心を燃やしており、薫の身体の芳香に対抗して着衣に薫物を焚き染めていることから、「匂宮」と呼ばれている(「匂宮」)。 今上帝の子の中で一番の美貌で、方々から婿にとの誘いがかかったが、政略結婚よりも自由勝手な恋愛を好む匂宮は、なかなか正妻を持たなかった。ある時、薫から宇治八の宮の姫君たちの噂を聞いた匂宮は、薫の手引きで中君と結婚、彼女を二条院へ迎えとる(「総角」「早蕨」)。しかし後に夕霧の娘六の君を北の方に迎えると、彼女に興味を移して中君をないがしろにしてしまう(「宿木」)。また、中君の異母妹浮舟が薫の恋人と知りながら、薫になりすまして契りを結び、彼女が苦悩の末入水を図る原因となった(「浮舟」)。
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