その他の資料の中での巣守
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/05/05 21:11 UTC 版)
そのほかに以下のような文献が巣守について言及しているのではないかとされている。 風葉和歌集平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて、さまざまな物語の中の作中の架空人物の和歌を抄出した歌集がいくつか作られたが、そのひとつである「風葉和歌集」においてその中の「源氏物語の中にある」として収録されている歌のうち以下の4首が現行の源氏物語54帖の中に存在しない。この4首についてはかつて失われた「雲隠」巻関連の記述ではないかとされたこともあるが、「巣守」の語は全く現れないものの匂宮や薫がからむ恋愛歌であることなどから現在では「巣守」関連の記述ではないかとする見方が一般的である。 「にほふ兵部卿のみこ白河の院に侍りけるに花見にまかりてよみ侍りける かをる右大将 ちり散らすみてこそゆかめ山桜ふる郷人はわれを待つとも」(巻二、春下) 「女の言ひのがれてつれなき様なりけるが又もさのみこしらへ侍りければ にほふ兵部卿宮 つらかりし心をみすは頼むるをいつはりとしもおもはさらまし」(巻十二、恋二) 「山里に侍りけるが帰りてかしこなる女の許につかはしける かをる大将 暁は袖のみぬれし山里に寝ざめいかにと思ひやるかな 返し 一品内親王三位」 「松風をおとなふものと頼みつゝ寝覚せられぬ暁ぞなき」(巻十八、雑三) 無名草子源氏物語に登場する人物の人物評論のうち、薫大将について触れた部分において、 「さはあれど、まめまめしげなるかたは、おくれたる人にや。うきふねのきみ、すもりのなかの君などの、兵部卿の宮にはおもひおとしはべるこそ、くちおしけれ。」 「すもりの君は、心にくき人のさまなれば、にほふさくらにかほるむめ、とこよなくたちまさりてこそ侍めれ」 といった記述が存在する。この「すもりのなかの君」や「すもりの君」については、浮舟と並べて記されているられていることなどを理由として宇治の八の宮の娘である大君や中の君のことであるとする説と、後述の巣守物語の登場人物である源三位の娘であるとする説の二説が存在するが、前者の説が有力である。
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