五式戦闘機II型
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/10 05:38 UTC 版)
1945年2月から開発に着手した型で、ターボ過給器(排気タービン)「ル102」搭載のハ112-IIル(離昇出力1500馬力)を搭載した機体である。このエンジンの排気タービンは海軍の雷電 (航空機)、100式司偵などで装備試験が実施された物である。このエンジンは高度10,000mで1000馬力を発揮した。重量は従来のエンジンより150kg増加したが、高度10,000mまで18分で到達した。速度は高度8,000mで590km/h、高度10,000mで565km/hを発揮した。過給器および空気取り入れ口はI型と異なり、機首下面に装備された。もともとあった薬莢殻入れは撤去され、機外に排出されるかたちに改められている。高々度戦闘機であるため燃料冷却系の装置は撤去された。実用化されれば日本陸軍で唯一の排気タービン装備の実用単発戦闘機となっていたであろう本機であるが、エンジントラブルは少なく、担当の一人である航空審査部の名取少佐は、何分1機を審査したのみであるので正確な稼働率はわからないにせよ、手応えは相当によかったと回想している。この排気タービンについてより詳しくは#ハ112-IIも参照のこと。 この型の機体は4月に設計が完了し、5月には実機が生産された。9月から量産が予定されていたが、終戦のため試作機3機の生産に終わった。
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