二黄卵
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/02 02:27 UTC 版)
鶏卵を割った際に、まれに卵黄が2つ入っていることがある。このような鶏卵を二黄卵(「におうらん」、俗に言う双子卵または「にこたま」)と言い、そのほとんどは産卵開始後間もない若鶏の産んだ卵である。産卵開始直後で排卵のリズムが一定しない時期に複数の卵黄が連続して排卵されることによって起こるが、ごく普通な生理現象であり、薬物投与のような人為的方法は何の関係も無い。外見が普通の卵よりも細長く全体的に尖り、大きさや重さが飛び抜けているため、産卵開始後間もない若鶏しかいない養鶏場であれば比較的簡単に見分けられる。味的にはまったく変わらないが、ごく一部の人は気持ち悪がるかもしれないという理由で出荷前に取り除かれていた。1998年頃から、後述の二黄卵多発鶏種により生産し、選別されたものが流通している。 前述「#鶏卵のサイズ」のとおり、スーパーマーケット等でパック詰めで販売される鶏卵は重量で選別されている。このため、若鶏しかいない養鶏場から出荷された鶏卵のうち重いものばかりが選ばれると、「パックの大半が双子」ということにもなりうる。 工業製品に喩えると「規格外の不良品」になるため、品評会でも確認され次第失格となる。しかし食品として何ら不都合な点はなく、むしろその珍しさ(1羽の鶏が産卵を開始してから廃鶏として淘汰されるまでに二黄卵を産む確率はわずか1 - 2%と言われている)から縁起物として、農産物の直売や通販では付加価値も付く。ただし有精卵であっても、2つの胚が発育スペースを奪い合う形となることで双方とも発育の途中で死んでしまい、普通は孵化することはない。 中国吉林省遼源市でも2007年11月に小さな卵が入った鶏卵が発見された。この鶏卵は普通のものより一回り大きく、中に小さな卵と小さな卵黄が入っていた。2007年3月中国の青島華陽路のレストランで卵黄の6つ入った卵が発見された。 通常の鶏卵を割った状態(白い物体がカラザ) 二黄卵を割った状態
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