事件で使用された短銃を所持していた男
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/03 04:41 UTC 版)
「住友銀行名古屋支店長射殺事件」の記事における「事件で使用された短銃を所持していた男」の解説
1994年11月13日に短銃を所持した上で住友銀行大阪本店に訪れて融資を引き出そうとした無職の男(当時73歳)が銃刀法違反で現行犯逮捕された。男は17年前の1977年9月に愛知医大関係者ら2人を監禁して現金約2億8000万円を奪う愛知医大三億円強奪事件を起こして懲役13年判決を受けた前科があり、2年前の1992年に出所していた。男が当初は自分が実行犯と供述し、所持していた短銃は射殺事件の線条痕と一致したが、「男の供述からは犯行時間に間に合わない」「マンション玄関はオートロックで、鍵が無い場合は住人にインターホンで連絡して中から開けてもらないといけない」などの矛盾点が多く、射殺事件にどのように関与したか不明なことから立件を断念。男は後に自分が実行犯であることを否定し、「事件について知っているが言えない」と口を閉ざすようになった。男は短銃所持の銃刀法違反の他に、1994年11月に住友銀行頭取宅に脅迫状を郵送した脅迫罪や同年同月に短銃を所持して住友銀行大阪本店で融資目的で現金を脅し取ろうとした恐喝未遂罪でも起訴され、懲役7年判決が言い渡され確定した。 また、男に短銃を貸した暴力団幹部が銃刀法違反で逮捕・起訴されて懲役5年の実刑判決が確定したが、射殺事件に関する供述は得られなかった。 その後、男は別件で1993年4月に名古屋市の歯科医院で院長にエアガンを突き付けて現金を奪おうとした事件を起こしたとして強盗未遂罪で起訴されて懲役3年の実刑判決が、1993年2月にJRA理事長襲撃事件を起こしたとして強盗傷害罪で起訴されて懲役4年の実刑判決が言い渡された。 男は岐阜刑務所で服役し2009年6月に刑期満了で出所予定であったが、同年1月に病死した。
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