久保克彦とは? わかりやすく解説

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久保克彦

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/02 04:15 UTC 版)

久保 克彦(くぼ かつひこ、1918年9月5日 - 1944年7月18日)は、日本の画家。東京美術学校工芸科図案部(現・東京芸術大学デザイン科)を首席で卒業した後、太平洋戦争の中国戦線に出征し、戦死した戦没画学生。東京美術学校卒業生の戦没者はわかっているだけで167名おり、久保はそのうちの1人である[1][2]。卒業後直ちに応召した後、ほどなく戦死しているので目立った作品が多いわけではないが、1971年 (昭和46年) に東京芸術大学芸術資料館に展示された「図案対象」は、戦没画学生の作品発掘のきっかけの1つになった [3]


注釈

  1. ^ 参考文献や卒業生の証言では便宜的に図案科という呼称を用いている場合もあるが、当時の正式な学科名は工芸科図案部である[6]
  2. ^ 久保より3つ学年が上だった小山清男によれば、彼が3学年のときに図案部の学生たちがバウハウスで学び帰国後に建築科で教鞭を執っていた水谷武彦に教えを請い、一度だけ授業を開いてもらった。そして、それを機に水谷による図案部1学年向けの授業が1年間開講し、全員がこれを受けた。授業の中ではシュルレアリスムについての話があったという[17]。このときの1学年がちょうど久保の代にあたっている。

出典

  1. ^ 「(9)終戦、戦争の爪跡」『東京芸術大学百年史 東京美術学校篇 第3巻』東京芸術大学百年史編集委員会(編)、ぎょうせい、1997年、pp.993-999
  2. ^ 佐藤道信「美術4 東京美術学校1944年 戦争」『タイムカプセルに乗った芸大』東京芸術大学
  3. ^ a b 『日本美術全集 第18巻』小学館、2015年、255頁。ISBN 978-4-09-601118-8 
  4. ^ 木村(2019: 23-24)
  5. ^ 木村亨「克彦の父久保白船のことなど」『久保克彦遺作画集』私家版、2002年、pp.177-178。
  6. ^ 三好二郎, 「東京芸術大学におけるデザイン用語の変遷(デザイン用語の変遷 : 教育・研究機関における年譜をめぐって,<特集>第4回春季大会 テーマ/用語を通してデザインを考える-回顧・現状・展望)」『デザイン学研究』 1983年 1983巻 42号 p.78-79, 日本デザイン学会, doi:10.11247/jssdj.1983.78, NAID 110008443053
  7. ^ 木村(2019: 68)
  8. ^ 黒田(2018: 117)
  9. ^ 木村(2019: 106)
  10. ^ 木村(2019: 110)
  11. ^ 木村(2019: 113)
  12. ^ 「(17)戦時下の学校生活(野見山暁治)」『東京芸術大学百年史 東京美術学校篇 第3巻』東京芸術大学百年史編集委員会(編)、ぎょうせい、1997年、p.932
  13. ^ 木村(2019: 116)
  14. ^ 木村(2019: 202)
  15. ^ 「(11)図案部成績展示会」『東京芸術大学百年史 東京美術学校篇 第3巻』東京芸術大学百年史編集委員会(編)、ぎょうせい、1997年、pp.794-795
  16. ^ 「(8)和田校長による改革」『東京芸術大学百年史 東京美術学校篇 第3巻』東京芸術大学百年史編集委員会(編)、ぎょうせい、1997年、p.606
  17. ^ 「(1)水谷武彦の帰国」『東京芸術大学百年史 東京美術学校篇 第3巻』東京芸術大学百年史編集委員会(編)、ぎょうせい、1997年、pp.464-465
  18. ^ 黒田『《図案対象》を読む』p.60.
  19. ^ 野見山暁治窪島誠一郎『無言館はなぜつくられたのか』かもがわ出版、2010年、159頁。ISBN 9784780303636 
  20. ^ 黒田『《図案対象》を読む』p.13-14
  21. ^ 黒田『《図案対象》を読む』p.14.
  22. ^ 黒田『《図案対象》を読む』p.14.
  23. ^ 黒田『《図案対象》を読む』p.110.
  24. ^ 黒田『《図案対象》を読む』pp.67-78.
  25. ^ 黒田『《図案対象》を読む』pp.106-107.
  26. ^ 黒田『《図案対象》を読む』pp.67-72.
  27. ^ 芸術新潮』1972年1月号


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