中華人民共和国政府の外交との関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/05 06:27 UTC 版)
「ダライ・ラマ14世」の記事における「中華人民共和国政府の外交との関係」の解説
ダライ・ラマ14世の訪問先が中華人民共和国と国交がある国の場合、訪問先の政府に対して、"一つの中国"を掲げている中華人民共和国国務院(=中華人民共和国政府)から外交ルートを通じて抗議が入るのが通例である。そのため、外交的配慮からダライ・ラマ14世に対する査証発給を拒否したり、もしくは発給に際して滞在中に一切の政治活動を行わない等の条件が付される場合がある。また、中華人民共和国国内でのダライ・ラマ14世の著書や写真の保有・持込は、治安当局の取締対象になる可能性が高い。 中華人民共和国国務院は、ダライ・ラマ14世が2008年開催の北京オリンピックを妨害しようとしていると非難した。中華人民共和国国務院の懸念する通り、ダライ・ラマ14世に追随する亡命チベット人による北京オリンピックへの6ヶ月間抗議運動がインドで発生したり、ダライ・ラマ14世を支持する組織の要請を受けてイギリスのチャールズ皇太子が北京オリンピックの開幕式を欠席するなどの事態が実際に起きている。 2012年1月7日、インドの新聞ザ・タイムズ・オブ・インディアは、西部ムンバイの警察が、中国から6人のスパイがチベット自治区からインド国内に侵入してダライ・ラマ14世を暗殺するという情報を入手、インド亡命中のダライ・ラマ14世の警備体制を強化する方針を決定したと報じた。 中国は、ダライ・ラマ14世と政治家が会見を行った国に対して、報復的な処置を取ることがある。ダライ・ラマ14世と首脳が会見した国は、その後、対中輸出が2年間にわたり平均8.1%減少することを論証した研究がある。これを「ダライ・ラマ効果」と呼ぶ。
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