中華人民共和国本土と香港間の経済協力および協定
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/03/10 10:12 UTC 版)
「香港の対外関係」の記事における「中華人民共和国本土と香港間の経済協力および協定」の解説
中国大陸と香港の間の境界については、入管や税関が絡むため、本来、中央政府の管轄事項である。ところが、中港間の通行や通関の時間延長や迅速化などに関する協議は、香港特別行政区・広東省政府聯席会議で行われている。また、2003年に本協定が締結された中国本土・香港経済連携緊密化取決め(CEPA)に関しては、香港の工商科技局と中華人民共和国商務部の間で交渉が行われた。 中港の経済関係の緊密化により、香港と諸外国同様、中港間でも租税協定に類する「処置」(按排)が締結されている。しかし、投資協定は締結されていない。その背景には、従来、中華人民共和国と対立している中華民国が中華人民共和国との投資協定締結を検討しており、それに対して中華人民共和国は協定締結が両岸関係の国際化につながるとして拒否し、台商投資保護法という国内法を制定したことがある。実は、FTAにも同様の問題があるが、中華人民共和国商務部は「CEPAはFTA類似処置であり、FTAそのものではない」との主張している。 なお、犯人引渡し協定は、刑事訴訟手続きや刑罰などの制度が双方で違いすぎ、(特に香港から中国大陸に引き渡す場合)被告の人権に関して問題が多いことから、未だ締結されていない。仮に中国大陸において、香港で犯罪を起こしたものが逮捕された場合は、これまで中国大陸の裁判所で裁かれ、処罰されている。特に張子強事件(香港で李嘉誠の長男である李沢鉅などを身代金目的で誘拐した容疑により、広東省で逮捕・処刑された)では、香港の排他的な刑事管轄権が成立していないのではないかという議論が起こった。
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