中国における薬物濫用者に対する処遇
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/13 08:06 UTC 版)
「2010年中国における日本人死刑執行問題」の記事における「中国における薬物濫用者に対する処遇」の解説
2009年時点で、中国では薬物濫用者が検挙されるだけでも毎年100万以上いるが、中国の「麻薬禁止法」によれば、薬物使用者は刑事罰ではなく中毒治療が優先されるため、薬物中毒者は刑務所ではなく「戒毒所」とよばれる強制麻薬更生施設送りになるという。これは中国当局によれば「薬物使用者は違法行為者であるが、被害者でも病人でもある。国家が治療すべきであり、犯罪行為ではない」という政策がとられているためである。 このように薬物の密造、密売、密輸は最高刑は極刑に処せられるのに、薬物使用者は刑事罰ではなく一種の保安処分に処せられる。そのうえ、2008年に当局が拘束した薬物使用者は112万人にも及んだが、「戒毒所」送りになったのは26万人に過ぎず、86万人は最高15日以内の拘留と罰金2,000人民元という処分で終っている。なお、日本では薬物使用者は、覚醒剤取締法によれば10年以下の懲役に処せられる。 また、中国の著名歌手で2008年の北京オリンピックの聖火ランナーを務めた満文軍は、2009年5月19日に妻の誕生日に合わせて合成麻薬MDMAでパーティーを友人の芸能人を集めて開いていたところ当局に逮捕されたが、初犯という理由で拘留14日で釈放され、さらに20日後にはテレビ出演して謝罪するなど、日本では考えられないような「寛大」さであったという。 そのためか、日本で2009年8月に中国でも人気があった酒井法子が覚醒剤所持で逮捕された際には、中国の報道やネット上の書き込みは「日本の処罰 があまりにも厳しすぎる」と同情的であったという。
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