並列 (文法)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/04 01:39 UTC 版)
並列(へいれつ、Parataxis, ギリシャ語:parátaxis)とは、独立した文(おもに句)を、従属節を外して並べる文学技法のこと。それぞれの文と文の依存関係(従位・等位)を明らかにする「従列(Hypotaxe)」とは対照的なものである。
概略
並列において、それぞれの文は「および(and)」や「あるいは(or)」といった等位接続詞で繋がれるか(接続詞畳用)、あるいは接続詞なしにコンマなどで繋がれるか(接続詞省略)のどちらかになる。文は内容の要点のみを述べ、語り口はシンプルである。並列のスタイルは、飾り気がなく、それぞれが特徴的な一方で、有無を言わさず線形的論証を述べてしまう可能性もある。そのため並列のスタイルは、記憶に残りやすいよう一つの句を短くすることが多い広告文で好んで用いられる。
例
- 来た、見た、勝った(Veni, vidi, vici) - ガイウス・ユリウス・カエサル
- Mooser ist krank. Er liegt im Bett.(モーゼルは病気である。彼/彼女は床に伏している。)
他にも、フランツ・カフカや、テオドール・フォンターネなどの写実主義文学、初期表現主義の叙情詩、歴史家、推理小説などで並列は使われている。
「並列 (文法)」の例文・使い方・用例・文例
- 並列つなぎで
- 空想と現実を並列する
- 並列回路.
- 薄い並列チャンネルを持つ
- 並列処理
- 並列実験を行なうか、別の基準と比較することにより、(科学実験を)確認、または調整する
- 電流の一部の方向を変える、別の装置と並列に接続した低い抵抗を持つ導体
- いくつかの節を並列させて用いること(『I came, I saw, I conquered(来た、見た、勝った)』のように)
- 減数分裂の開始時に、相同の母系と父系の染色体が並列に組み合わさること
- 材木を並列したような様の岩石
- 中黒という,小数点や並列語句の区切り点として用いられる符号
- データフローマシンという並列処理型コンピューター
- 並列連結という,電池のつなぎ方
- 演算制御装置内に多数の演算ユニットを並列的に配置し,多数の演算ステップを同時に平行して行う方式
- 並列推論マシンという,並列処理を行うコンピューターシステム
- 文中において,対等な資格で並列している節
並列_(文法)と同じ種類の言葉
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