三線軌条区間の縮小
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/08 18:40 UTC 版)
「箱根登山鉄道鉄道線」の記事における「三線軌条区間の縮小」の解説
風祭駅での小田急電車は手動で扉を開いていた 2006年以降は小田原駅と箱根湯本駅の間は小田急の車両のみとなった しかし、箱根湯本駅まで乗り入れてくる小田急の電車は20 m級の車両が最大6両編成であるのに対して、登山電車の1列車の輸送力は全長15 m級の3両編成が最大で、輸送力が小さかった。このため、1995年以降、ゴールデンウィークなど特に多客が予想される日には日中の登山電車を全て箱根湯本駅と強羅駅の間でのみ運行し、小田原駅と箱根湯本駅の間は小田急の車両で6両編成の各駅停車を運行する措置もとられていた。また、各駅での乗車位置も小田急の車両と登山電車では異なる上、途中の風祭駅ではホーム長が短いために、小田急の車両ではドアコックを使用して手動で扉を開ける(ホームにかからない車両の扉は開けない、いわゆるドアカット)という状態であった。 さらにバリアフリー対応にも問題が生じた。小田急の車両と登山電車では車体規格が異なる上、三線軌条ではそれぞれの車両の中心もずれるため、交通バリアフリー法に抵触する可能性も出てきた。 こうした事情から、まず2000年12月2日のダイヤ改正から、日中の小田急電車の直通本数を倍増させ、代わりに小田原駅と箱根湯本駅の間を運行する登山電車は朝夕のみとなった。さらに、2006年3月18日のダイヤ改正では、小田原駅と箱根湯本駅の間の列車は全て小田急の車両に置き換えられることになった。これ以後、小田原駅と入生田駅の間の三線軌条は順次撤去されたが、入生田駅には登山電車の車庫があるため、入生田駅と箱根湯本駅の間のみ三線軌条が残された。2008年3月15日のダイヤ改正からは、風祭駅の改良工事完了によりドアカットが解消されたほか、小田急の車両は特急ロマンスカー以外は4両編成での運行となった。 なお、2011年3月11日に発生し、大きな津波被害をもたらした東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)以来、小田原市内では海抜表示が随所に表示されるようになったが、箱根登山鉄道が公表していた数値と異なることが問題となり、2013年11月に修正されることになった(後述)。 2019年10月13日、令和元年東日本台風(台風19号)により大平台駅 - 小涌谷駅間を中心に土砂流入や橋脚流失など甚大な被害を受け、箱根湯本駅 - 強羅駅間が長期不通となった。箱根登山鉄道は同年11月22日に同区間の運転再開を2020年秋頃の見通しと発表したが、その後2020年7月下旬へ前倒しされ、同年7月23日より運転を再開すると発表。そして同日、約9か月ぶりに全線で運転を再開した。
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