ヴェイパーウェイヴの登場
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 08:47 UTC 版)
「ヴェイパーウェイヴ」の記事における「ヴェイパーウェイヴの登場」の解説
Vektroidによる『Floral Shoppe(フローラルの専門店)』の発表が今日的なヴェイパーウェイヴの発端であると目されている。音楽自体は80年代のR&Bやスムースジャズをサンプリングし、以前よりも聴きやすくまとめられており、アルバムアートワークではショッキングピンクや黄緑と言ったカラフルな中間色を多用し、パースを付けたチェッカーボードで奥行きを持たせ、ヘリオス像をアイコンに用いている。この作品は、ポップにまとめられている点で、2011年のヴェイパーウェイヴのシーンの中でも独創的であり、数多くの追随者を生み出した。 Vektroidはアメリカ合衆国在住の女性トラックメイカーで、ヴェイパーウェイヴと呼ばれるジャンルの認知度向上に対して多大な貢献を行ったアーティストである。彼女は2010年から2013年までに多数の音楽作品をWebサイト上で発表し、完全な意味でこの音楽ジャンルの発端と目されている。彼女は Macintosh Plus, New Dreams Ltd, 情報デスクVIRTUAL など複数の名義を使用し、企業を模した自主ネットレーベルであるNew Dreams Ltd.を立ち上げた後に作品を公開、各種SNSを駆使した広報活動を行った。このような広報戦略の採用によって、リスナーに対してあたかもそういった音楽が同時多発的に制作されているように見せかけることに成功した。中でも2011年に発表されたMacintosh Plus名義のアルバム『Floral Shoppe』はヴェイパーウェイヴを代表する作品として知られ、多数のリミックス作品も作られている。彼女や同じく草分け的存在であるInternet Clubの知名度が高まるにつれ、同様の作品を制作するフォロワーも現れることになった。ヴェイパーウェイヴはその後、BandcampやSoundCloud、4chan などを通じて拡散されていった。 支離滅裂な日本語の羅列の多用もあって、日本でも2012年9月頃から異質な音楽ジャンルとして認知され始め、音楽メディアのele-king や音楽ブログのHi-Hi-Whoopee、ライターの国分純平のブログなどのサイトで特集された。 シーンが盛り上がって行くに連れ、大量消費に対する皮肉というヴェイパーウェイヴの本来の意義は薄れて行った。
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