ヴァルダスティコ北区間
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/29 14:14 UTC 版)
「アウトストラーダ A31」の記事における「ヴァルダスティコ北区間」の解説
このアウトストラーダを北にトレントまで延伸させる計画がある。しかし、この計画の開始を止めている要因がいくつかある。 その中で大きなものは、アウトストラーダのトレント方面への継続に反対するトレント自治県と、文化・環境団体(イタリア・ノストラ、世界自然保護基金、英国のランドマーク・トラスト財団)の活動である。 2010年2月12日に、ヴィチェンツァ県知事でありアウトストラーダ ブレシア-パドヴァの社長でもあるアッティーリオ・シュネックは、ピオヴェーネ・ロッケッテからアウトブレンネロまでのアウトストラーダの北の幹線の計画について欧州の入札を開始したと発表した。ヴァルダスティコのジャンクションは、ロヴェレートの北、トレントの南のベゼネッロ近くが計画されている。 トレント自治県は工事全体に反対の立場をとっている。 国道47号の問題を解決しないで、この道路を完成させることは、アウトストラーダ A22、および周辺の道路の交通問題を悪化させることにつながる、と主張している。トレント自治県が工事全体に反対を主張するもうひとつの理由は、物流を鉄道に移行させるというユーレジオ「チロル=南チロル=トレンティーノ」の方針に従ったものである。これは、パドヴァ - フェラーラ地域とヴェネツィア - ウーディネ地域から北に行く激しい交通をヴェローナの貨物基地にまわすために、ブレンナーベーストンネルに投資してアクセス経路の近代化をはかるものである。 2011年2月21日の憲法裁判所の判決により、トレント自治県との事前合意なしには、この幹線に関するいかなる作業、行為、計画も進められないことが再確認された。これは、トレンティーノ=アルト・アディジェ州法とその施行規則によるものである。そのため、2013年12月より前にヴァルダスティコ北の最終的な計画は承認されないだろうと思われた。トレント自治県の知事は、2026年まで、ブレシア - ヴェローナ - ヴィチェンツァ - パドヴァ高速道路会社へのアウトストラーダの請負の更新を妨害する意図はなく、その方向で協力するが、それはトレント自治県内の工事の開始を了解するものではない、と宣言した。これを受けて、ブレシア - パドヴァ高速道路会社の社長、アッティーリオ・シュネックは次のように語った。「2013年内にヴァルダスティコ北区間全体の最終的な計画が承認されるだろう。しかし、工事はラステバッセ出入口までのヴェネト州部分でのみ開始され、のちに、計画通りアウトストラーダ・デル・ブレンネロに向けて延伸するか、もしくは、レーヴィコ近くの国道ヴァルスガーナに接続するか、が決定されるだろう。」 トレントの主張に関係なく、2012年8月8日に、ヴェネト州はヴァルダスティコ北の工事を最終承認した。2013年3月18日に、経済計画のための省庁間委員会(以下 CIPE と示す)が、ピオヴェーネ・ロッケッテからトレント境界(ヴァルダスティコ)までの工事の開始を承認した。これは重要な工事進展の兆候である。 2016年5月16日に、ヴィチェンツァを訪問したインフラ大臣のグラツィアーノ・デルリオは、以下のように述べた。「ヴァルダスティコ北区間について合意した。これは進められる。我々は商品輸送に道路よりも鉄道に多く依存してきた。この工事が大規模なものだとは言わない。契約が締結されると多くの建設現場が開設される。それは数ヶ月ではなく数日の話だ。」 2016年8月10日のCIPEによる決定の後、ブレシア・ヴェローナ・ヴィチェンツァ・パドヴァ高速道路会社は、全体がヴェネト州に含まれているピオヴェーネ・ロッケッテとヴァッレ・ダスティコの間の18.9 km のロット1の最終的な設計を開始することを決議した。 2019年1月21日、国務院は判決00499/2019で、ベゼネッロ(トレント)の提訴により、ヴァルダスティコ北区間の出口と接続路をアウトストラーダ A22 デル・ブレンネロに接続する計画を含む2016年8月10日のCIPE決議を無効にした。
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