ロセッティの芸術において
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「アレクサ・ワイルディング」の記事における「ロセッティの芸術において」の解説
ロセッティの絵画においてワイルディングのエレガントなルックスと空気のような美しさは、ロセッティの別のモデルである官能的なファニー・コーンフォースとは対照的であった。ワイルディングのより洗練された特徴によって、ロセッティのパトロンであり『レディ・リリス』(1864–1868年)の所有者であるフレデリック・レイランド(英語版)がオリジナルがあまりにも世俗的であると言った際に、コーンフォースの頭部は塗り潰されてワイルディングに置き換えられた。同様に、元々は身長6フィート近い料理人をモデルとした絵画、『魔性のヴィーナス(英語版)』(1864-68年)は、1868年1月にワイルディングの顔で塗り直された。ロセッティは彼女の多様な特質が、たとえば『シビラ・パルミフェラ』のような美徳と、以前はコーンフォースのために予定されていた悪徳の双方の役割に十分な汎用性を有していると考えていたと推測される。 ワイルディングの表現能力については同時代の人々でも意見が異なる。ロセッティの助手であるヘンリー・トレフリー・ダン(英語版)は、彼女について「...表現の多様性は乏しい。彼女はスフィンクスのように座り、質問されるのを待っていて、いつも漠然とした返事を返した...しかし、彼女は一見平淡な外面の中に深い愛情を持っていた。」と述べている。一方でロセッティの弟であるウィリアム・マイケル・ロセッティ(英語版)は、彼女を「多彩な表現ができる」と見なしていた。 ダンはワイルディングを「すべての特徴が美しく成形され、彼の構想に見事に合致した静かで柔和で神秘的な安らぎに満ちた美しい顔をしている...彼は彼女の美しい顔と金褐色の髪に打たれた。彼が長年求めていた非常に好みの顔だった。」と語った。 ワイルディングの特徴はロセッティの絵画から簡単に見い出すことができる。赤い髪、長い首、完璧なキューピッドの弓の唇、そしてエリザベス・シダルの有名な広いまぶたと比較するとやや柔らかい目。しかし『祝福されし乙女』では、ロセッティが亡くなった妻の目で描いたためにワイルディングの特徴はあまり識別できない。さらにワイルディングをモデルとしたロセッティの2点の絵画『レジーナ・コルディウム』、『聖杯の乙女』は最初のモデルである亡妻シダルに似ている。彼の親友で美術評論家のフレデリック・ジョージ・スティーブンス(英語版)によると「彼が彼女を描いた作品は描写が多様であったが、正確に似ているとは思えなかった。」
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