ロイヤル・メール列車
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「1963年の大列車強盗」の記事における「ロイヤル・メール列車」の解説
1963年8月7日水曜日18:50に、移動郵便局(TPO。travelling post office)「"Up Special"」列車は、グラスゴー中央駅から出発した。これは翌朝04:00にユーストンに到着する予定であった。列車はEnglish Electric Type 4(のちにClass 40)ディーゼル電気機関車D326(のちに40 126)によって牽引された。列車は12両で構成され、旅行中、郵便物を仕分けする郵政省のスタッフ72人を運んだ。 郵便物はグラスゴーで、通過する駅で停車中に、地元郵便局スタッフによって仕分けされた郵袋を、線路横のフックに掛け、列車に積込まれた。電車で仕分け済みの郵便物は、その際に降ろされる時があった。この交換方法により、郵便列車は、不必要な停車で列車を遅延させることなく、各地域に配達することができた。強盗に遭った車両の1つは、Nene Valley Railwayに保存されている。 牽引車の後ろにある2両目は、HVP(high-value packages。高級品を乗せた貨車として知られており、大量の金銭や仕分けされる書留郵便を運んだ。通常、積荷の価値はおよそ30万ポンドであったが、前週末はイギリスの銀行休業日の週末であったために、強盗当日の合計は250万ポンドから300万ポンドの間であった。 1960年に、郵政省調査ブランチ(Post Office Investigation Branch)(IB)は、HVP車両を備えたすべての汽車に警報器を取り付けることを推奨した。この勧告は1961年に実施されたが、警報器のないHVP車両は予備として保管されていた。1963年8月までに、HVP車両3両に警報器、窓の鉄格子、ドアのボルトとキャッチが装備されたが、しかし強盗当時これら車両が使用できなくなっていたために、これら機能のない予備の車両(M30204M)が使用された。無線の取り付けもまた考慮されたが、高価だと判断され、この方法は実施されなかった。この車両は事件後7年間証拠品として保管され、それから荒らしを阻止するために警察と郵便職員の立ち会いの下でノーフォークの或るスクラップヤードで焼却された。
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