ルネサンスとオスマン帝国のドーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/09 14:44 UTC 版)
「ドーム」の記事における「ルネサンスとオスマン帝国のドーム」の解説
ブルネレスキ設計のサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂の八角形の煉瓦製ドームは1420年から1436年の間に建てられた。直径は42から45mである(辺から辺を測るか、頂点から頂点を測るかで異なる)。八角形の頂点から白い石のリブが頂上に伸びて、赤いタイル屋根葺きを縁取っている。当時、パンテオンを抜いて西欧最大のドームとなり、石造りのドームとしては今も世界最大である。特に、このドームは外殻と内壁の二重構造になっており、その後二重構造のドームがよく採用されるようになっていった。 コンスタンティノープル(今のイスタンブール)に1550年から1557年に建てられたスレイマニエ・モスクは中央のドームの高さが53m、直径が26.5mである。海抜では当時のオスマン帝国最高のドームだったが、床面から頂上までの高さでは近くにあるアヤソフィアの方が高い。 トルコのエディルネにあるセリミエ・モスクは、オスマン帝国で建設された初のアヤソフィアより大きいドームだった。八角形の土台の上に建てられ、内径は31.25mだった。建築家ミマール・スィナンが設計し、1568年から1574年に建設した。完成時スィナンは86歳となっており、これが最高傑作とされている。 サン・ピエトロ大聖堂の二重壁のドームは1590年に完成した。直径はパンテオンやサンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂より若干小さい。内側のドームは半球形で、外側のリブ付きドームは縦長の長円形である。穹窿胴の外側には大きな窓と窓の間に装飾的な柱が2本ずつある。内径は41.47mで、地面からの頂上の十字架までの高さは136.57mである。現在も世界最高の高さのドームである。この大聖堂の様式が後にバロック建築と呼ばれるようになり、特にそのドームの設計は後世に大きな影響を与えた。
※この「ルネサンスとオスマン帝国のドーム」の解説は、「ドーム」の解説の一部です。
「ルネサンスとオスマン帝国のドーム」を含む「ドーム」の記事については、「ドーム」の概要を参照ください。
- ルネサンスとオスマン帝国のドームのページへのリンク