ルイ・リュミエールによる撮影
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「シネマトグラフ」の記事における「ルイ・リュミエールによる撮影」の解説
リュミエールの最初の映画は『工場の出口』である。この作品はリュミエール社工場の正門から大勢の従業員が出てくるところを写したもので、1895年3月19日に撮影され、3月22日の最初のシネマトグラフの上映会(学者や専門家向けの上映を参照)で公開された。それから1895年12月にかけて、リュミエールは上映用作品のストックを備えるため、約40本の作品を撮影した。これらの作品を撮影したのはルイであり、オーギュストは『草焼き』の1本しか撮影していない。 ルイが撮影した作品の多くは、会社のあるリヨンや別荘のあるラ・シオタで家族や友人、リュミエール社の従業員などを被写体にして、日常のありふれた光景を撮影した実写映画である。例えば、『赤ん坊の食事』はリヨンにある自宅の庭でオーギュスト夫妻と娘が食事をしているところを撮影しており、『エカルテ遊び』はアントワーヌとその友人がトランプ遊びをしている姿を撮影している。ほかにも『金魚釣り』『港を離れる小舟』『子供の口喧嘩』などにリュミエール兄弟の妻や娘が出演している。数人の映画史家は、こうした作品にはリュミエールのホーム・ムービー的な性格が強いと指摘している。 ルイは実写映画以外にも、『水をかけられた散水夫』『自動ソーセージ屋』『写真家』などの喜劇的なシチュエーションによるドラマ仕立ての作品も撮影している。その中でも有名な作品が『水をかけられた散水夫』である。この作品は庭師がホースで水を撒いているところに、子供がやって来てホースを踏みつけ、なぜ水が止まったのかと庭師がホースを覗き込むと、すかさず子供が足を離し、庭師はずぶ濡れになってしまうという内容で、リュミエールの別荘の庭師とリュミエール社工場の見習工が出演した。中条省平によると、この作品は世界最初の喜劇映画といわれ、後に隆盛をきわめるスラップスティック・コメディ映画の原型を成しているという。 メディアを再生する 『工場の出口』 メディアを再生する 『水をかけられた散水夫』 メディアを再生する 『赤ん坊の食事』 メディアを再生する 『エカルテ遊び』 メディアを再生する 『金魚釣り』
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