ユートピア小説
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「フィクションにおけるユートピアとディストピア」の記事における「ユートピア小説」の解説
詳細は「ユートピア」を参照 ユートピアという言葉は、1516年に出版されたイギリスの思想家トマス・モアの著作『ユートピア』(Utopia)で初めて直接的な文脈で用いられた。ユートピアという言葉は、ギリシア語の outopos(存在しない場所)と eutopos(良い場所)の両者に類似している。モアはラテン語で書かれた自身の著書の中で理想的な社会のビジョンを打ち出した。タイトルが示唆するように、作中では理想的な国家というものに関する両義的で皮肉な予測が示されている。 トマス・モア以降のユートピア小説の例として、イングランドの文学者サミュエル・ジョンソンの『幸福の追求 アビニシアの王子ラセラスの物語』(The History of Rasselas, Prince of Abissinia)やイギリスの小説家サミュエル・バトラーの『エレホン』(Erewhon)などが挙げられるが、『エレホン』というタイトルにはnowhere(どこにもない)のアナグラムが用いられている。また、『エレホン』は多くのユートピア文学と同様に風刺作品としても見ることができる。バトラーは病気と犯罪をひっくり返して、前者に罰を与え、後者に治療を施している。英語で書かれたものだけでも1900年までに400以上、20世紀には新たに1000以上のユートピアに関する文学作品が出版された。
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