オレンジカウンティ三部作
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/13 06:04 UTC 版)
「キム・スタンリー・ロビンソン」の記事における「オレンジカウンティ三部作」の解説
Three Californias Trilogy とも呼ばれている。『荒れた岸辺』(1984)、『ゴールド・コースト』(1988)、Pacific Edge (1990) の三作で構成されている。一般的意味では三部作とは言えず、ストーリーに関連性はない。この三作はカリフォルニアの3つの異なる未来を描いたものと言える。 『荒れた岸辺』は、核戦争によって全土が荒廃したアメリカ合衆国で、文明を取り戻すために奮闘するカリフォルニアを描いている。『ゴールド・コースト』は、過剰に工業化され、テクノロジーにますます依存するようになったカリフォルニアを描き、軍需企業とテロリストの戦いによって分裂状態となったカリフォルニアを描いている。Pacific Edge は、生態学的に正気になったカリフォルニアを描いており、正しい習慣がノルマとなり、過去の傷跡がゆっくり癒されている。 元々は無関係な3作品だったが、まとめると1つの主張が見えてくる。1作目ではテクノロジーの欠如により人間性が損なわれることを示し、2作目では過剰なテクノロジーによって(付随する環境破壊とともに)ほとんど完全に人間性が失われることを示し、3作目ではその2つの間の妥協案を提示している。3作目はユートピア小説だが、そこには依然として衝突や悲劇がある。3作に共通して登場する人物がおり、3つの選択肢がどういう意味を持つのかを把握するのに役立つ。
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