メラン・ヴァリエーション: 6.Bd3
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/25 22:11 UTC 版)
「セミ・スラヴ・ディフェンス」の記事における「メラン・ヴァリエーション: 6.Bd3」の解説
セミ・スラヴ・ディフェンスの主要な変化はメラン・ヴァリエーションであり、6... dxc4 7. Bxc4 b5となる(ECOコードはD46-D49)。ゲームは通常8. Bd3と続く。8. Be2や8. Bb3と続くのはあまり一般的ではない代替手である。このラインは、シュレヒター対パーリスの1906年のゲームで初めて指された。この変化は、北イタリアの土地メラーノ(メラン)より名前が取られている。メラーノで開かれた1924年のトーナメントでは、グリュンフェルト対ルービンシュタインのゲームで採用され、成功を収めた。グリュンフェルトは同じ変化を2ラウンド後のシュピールマンとのゲームでも採用し、同様に勝った。ヴィスワナータン・アーナンドは、ウラジーミル・クラムニクとの2008年の世界チェス選手権で、黒番で2局を勝った。黒はd5のアウトポストを放棄するが、手得しながらb7-b5によってクイーンサイドでスペースを拡大する。白はセンターで戦い、結果として豊かで複雑なゲームになる。これらの対立する戦略と、その後の鋭いプレーのおかげで、メラン・ヴァリエーションは長い間、白黒どちらにおいても意欲的なプレーヤーに好まれることとなった。例えばGligoric対Ljubojevic、ベオグラード、1979年. 8. Bd3の後は、黒はしばしば8...a6と指す。ベント・ラルセンは8...Bb7を導入しており、この手は「改良メラン」と呼ばれてきた。 ある出典によると、この手ははじめ1923年に指されていたが、ラルセンにより発展されたため、彼の名前が付けられている。 黒は8...Bd6と指すこともできる。この手はアナンドが2013年のタタ・スチールチェストーナメントでアロニアンに勝利したゲームで指された手である. 現代のマスターのゲームではメラン・ヴァリエーションよりも現れにくい形ではあるが、他の可能性も存在する。6... Be7や、イタリアのマスターであるマックス・ロミにより導入された6... Bb4、そしてメラン・ヴァリエーションが現れる前には最も人気があり、アメリカ人のグランドマスターであるアーサー・ビスガイヤーにより生涯にわたり支持されてきた手である6... Bd6がある。 6...Bd6ののち、7. 0-0 0-0 8. e4 dxe4 9. Nxe4 Nxe4 10. Bxe4が最もよくあるラインである。ここで黒にはいくつかの選択肢があるが、一つはポーンを失うため明確な誤りである。10... e5 11. dxe5 Nxe5 12. Nxe5 Bxe5 13. Bxh7+ Kxh7 14. Qh5+ Kg8 15. Qxe5.しかし、実戦的にはこのラインは、すべてのクイーンとルークが盤上に残っているにもかかわらず、逆色ビショップのために、ドローになる傾向が強い。 黒の他の選択肢は10... c5を含むが、白が11. Bc2からQd3、Bg5といったキングサイドへの攻撃が可能になるため、理論的には10... c5は時期尚早とみなされている。10... Nf6も指されてきているが、ナイトの位置としては悪く、黒がセンターに対抗するために今後指す、ポーンでの突破の手であるc6-c5やe6-e5という手にとって何の役にも立っていない。ビスガイヤーは10... h6を好んでおり、これが最善のプランだと考えられるようになった。 その他のアイデアは、6...Be7である。これは、5. e3 Be7と同じ欠点がある。この手と6... Bb4は、現代においてはサイドラインとなっている。
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