メチル・ターシャリー・ブチル・エーテルとは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > 百科事典 > メチル・ターシャリー・ブチル・エーテルの意味・解説 

メチルtert-ブチルエーテル

(メチル・ターシャリー・ブチル・エーテル から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/06/19 23:47 UTC 版)

メチルtert-ブチルエーテル
識別情報
CAS登録番号 1634-04-4 
PubChem 15413
ChemSpider 14672 
UNII 29I4YB3S89 
KEGG C11344 
ChEBI
特性
化学式 C5H12O
モル質量 88.15 g mol−1
外観 無色の液体
密度 0.7404 g/cm3
融点

-108.6 °C, 165 K, -163 °F

沸点

55.5 °C, 329 K, 132 °F

への溶解度 26 g/L (20 °C)[1]
蒸気圧 27kPa (20ºC)
粘度 3.4·10−4 Pa·s (at 25ºC)
危険性
NFPA 704
3
2
 
引火点 −32.78 °C (−27.00 °F; 240.37 K)
発火点 435 °C (815 °F; 708 K)
特記なき場合、データは常温 (25 °C)・常圧 (100 kPa) におけるものである。

メチルtert-ブチルエーテル (methyl tert-butyl ether、略称 MTBE) はエーテルに分類される有機化合物IUPAC命名法では2-メトキシ-2-メチルプロパンと表される。

引火点 -28 ℃、沸点 55.2 ℃。動物実験発癌性が認められている。日本では消防法による危険物(第四類引火性液体、第一石油類)、労働安全衛生法による2019年有害物ばく露作業報告対象物に指定されている有機化学物質である。

ガソリンに添加することで以下のような効果が得られる。

1987年昭和62年)、共同石油(現ENEOS)が日本国内で無鉛ハイオクガソリンを販売する際に、アンチノック剤として MTBE を添加し、「環境に優しい。加速が良い」とのキャッチフレーズで販売した。

しかし、米国で老朽化した地下ガソリンタンクからの漏洩による地下水汚染が問題化し、カリフォルニア州などでガソリンへの MTBE 添加が禁止される事態となった。

2005年4月11日、アメリカ環境保護庁はガソリンへの MTBE 添加を2014年12月31日以降禁止すると決定した。

地下水汚染問題

米国では地下水飲用に供しているがある。これまでもガソリンスタンドの老朽化した地下ガソリンタンクからガソリンは漏洩していたが、ガソリンは水と混ざらないので地下細菌によって分解されていた。しかし MTBE やアルコール水和性のため、漏洩した MTBE が地下水に混入し、飲用不適になってしまう問題が起こった。エタノールはガソリン分解細菌の活性を低下させるという意見もあったが、過剰に摂取しない限り人体無害なので、米国では MTBE の禁止とともにバイオエタノールの需要が激増した。なお、老朽化した地下タンクを使い、周辺の地下水を飲用に使う場合、メタノールでも MTBE と同様の問題は発生しうる。 [2] [3]

出典

  1. ^ Record of Methyl tert-butyl ether 労働安全衛生研究所(IFA)英語版発行のGESTIS物質データベース
  2. ^ アーカイブされたコピー”. 2008年11月20日時点のオリジナルよりアーカイブ。2008年6月20日閲覧。 MTBE禁止とバイオエタノールの需要激増
  3. ^ 安井至 MTBEの脅威? 2000年10月8日、市民のための環境学ガイド書庫

関連記事





英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

メチル・ターシャリー・ブチル・エーテルのお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



メチル・ターシャリー・ブチル・エーテルのページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのメチルtert-ブチルエーテル (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS