マーキュリー・トレーサーとは? わかりやすく解説

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マーキュリー・トレーサー

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/07 04:24 UTC 版)

マーキュリー・トレーサー
3代目 LS
概要
製造国 日本
台湾
メキシコ
アメリカ合衆国
販売期間 1987年-1999年
ボディ
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
系譜
先代 マーキュリー・リンクス
後継 無し
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トレーサーTRACER )は、フォードが製造し、マーキュリーブランドで販売していた普通乗用車である。

概要

マーキュリーにおける最小クラスの車としてデビューし、2代目より北米版フォード・エスコート姉妹車となる。マーキュリーディビジョンより販売されるため、他のマーキュリー車と同様、内外装の装備がエスコートよりも豪華となっている。また、全世代においてマツダ・ファミリア/フォード・レーザーをベースに開発されている。

初代(1987年-1989年)

マーキュリー・トレーサー(初代)
フロント
リア
概要
製造国 日本広島
台湾桃園市福特六和汽車
メキシコ[1]エルモシージョ
販売期間 1987年 - 1989年(生産終了)
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 3/5ドアハッチバック
5ドアステーションワゴン
プラットフォーム マツダ・BFプラットフォーム
パワートレイン
エンジン B6型 1.6L 直列4気筒
変速機 3速AT(F3A)/5速MT
車両寸法
ホイールベース 2,410mm
全長 4,110mm(ハッチバック)
4,310mm(ステーションワゴン)
全幅 1,660mm
全高 1,350mm(ハッチバック)
1,365mm(ステーションワゴン)
系譜
先代 マーキュリー・リンクス
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1987年、旧式化したマーキュリー・リンクスに代わるマーキュリーディビジョンの最小クラスを受け持つ車として発表された。ボディ形状は3ドアハッチバック、5ドアハッチバック、5ドアステーションワゴンが用意された。ベースとなったのはBF系マツダ・ファミリアであり、デザインはファミリアの姉妹車であり、日本アジアオセアニア環太平洋地域で既に発売されていたフォード・レーザーとほぼ変わらない。またエンジンも直列4気筒 1.6LのマツダB6型を搭載していた。

製造期間は短いが、これはベースとなったファミリアが1989年にフルモデルチェンジを実施したことにより、モデルレンジの整理を行ったためである。

2代目(1990年-1996年)

マーキュリー・トレーサー(2代目)
セダン GS
ステーションワゴン GS
概要
製造国 アメリカ合衆国ウェイン
メキシコ(エルモシージョ)
販売期間 1990年 - 1996年(生産終了)
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
プラットフォーム マツダ・BGプラットフォーム
パワートレイン
エンジン BP型 1.8L 直列4気筒
CVH 1.9L 直列4気筒
変速機 4速AT(F-4EAT)/5速MT(M5)
車両寸法
ホイールベース 2,500mm
全長 4,340mm(セダン)
4,350mm(ステーションワゴン)
全幅 1,690mm
全高 1,340mm(セダン)
1,360mm(ステーションワゴン)
車両重量 1,133kg
その他
姉妹車 フォード・エスコート
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1990年、フルモデルチェンジを実施。同時にトレーサーは前身であるリンクス同様にエスコートと姉妹車の関係となった。ベースとなったのはBG系ファミリアで、デザインはやはりレーザーとほぼ同じである。ボディ形状は4ドアセダンとステーションワゴンで、エスコートには存在した3ドアハッチバッククーペと5ドアハッチバックは用意されなかった。

このモデルのLTSは雑誌「カー・アンド・ドライバー」の1991年のカー・アンド・ドライバー ベスト10英語版に選ばれた。

3代目(1996年-1999年)

マーキュリー・トレーサー(3代目)
セダン
ステーションワゴン GS
概要
製造国 アメリカ合衆国(ウェイン)
販売期間 1996年 - 1999年(生産終了)
ボディ
乗車定員 5名
ボディタイプ 4ドアセダン
5ドアステーションワゴン
プラットフォーム フォード・CT120プラットフォーム
パワートレイン
エンジン SPI2000 2.0L 直列4気筒
変速機 4速AT(F-4EAT)/5速MT(IB5)
車両寸法
ホイールベース 2,500mm
全長 4,440mm(セダン)
4,390mm(ステーションワゴン)
全幅 1,700mm
全高 1,350mm(セダン)
1,370mm(ステーションワゴン)
その他
姉妹車 フォード・エスコート
系譜
後継 無し
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1997年、エスコートと同時にモデルチェンジ。ただしプラットフォームはBH系ファミリアのものは用いられず旧型のプラットフォームを改良したものを用いており、実質的に先代のスキンチェンジ(ワゴンにおいてはビッグマイナーチェンジ)版である。ボディ形状は先代同様4ドアセダンと5ドアステーションワゴン。セダンのデザインは今までのレーザーを元にしたものから、独自の丸みを帯びたものとなった。ステーションワゴンは先代のボディをそのまま用い、フロントマスクをセダンと共通のデザインに変更している。

エスコートに用意されたハイパワーエンジンが用意されないなど、大きな魅力に乏しいトレーサーは販売不振により1999年に生産を終了しモデル消滅。ボブキャットから続く系譜、3世代約25年の歴史に幕を下ろした。

自動車衝突安全テスト

1999年に米国運輸省道路交通安全局英語版NHTSA)のテストを受けた[2]。結果は以下の通り。

機関 試験年 評価 備考
NHTSA アメリカ 1999年
  • Driver Front ★★★
  • Passenger Front ★★★
  • Driver Side ★★★
  • Passenger Side ★★★
  • Rollover 未検証

幻の4代目

2010年初めフォードは3代目フォーカスバッジエンジニアリング版としてトレーサーを復活させることを計画する[3]。当時販売不振にあえぐマーキュリーにとってはブランドの再興もとい延命がかかっていたが2010年の夏、フォードはマーキュリー部門の廃止を発表。トレーサーの復活は幻に終わった。

車名の由来

「トレーサー」は、「追跡者」を意味する英語である。

脚注

  1. ^ Machine that Changed the World, James P. Womack, Daniel T. Jones, Daniel Roos, Massachusetts Institute of Technology, Simon and Schuster, 1990, page 265
  2. ^ 1999マーキュリートレーサークラッシュテストの安全性評価
  3. ^ New Ford Focus Badged as Mercury Tracer Due in 2011

関連項目

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