マルコ優先説とは? わかりやすく解説

マルコ優先説

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 01:13 UTC 版)

マルコによる福音書」の記事における「マルコ優先説」の解説

古代から中世に至るまで、(1)十二使徒一人マタイ著者であると信じられてきた「マタイ福音書」に圧倒的な権威置かれたこと、(2)内容充実している「マタイ福音書」を「要約したものが「マルコ福音書」であるという説が教会浸透していたこと、などの理由から、古代以来もっとも「簡潔」な内容である「マルコ福音書」は聖書研究の上で「軽視」されがちな傾向があった。 しかし、マタイマルコルカ共観福音書のうち、最初に書かれたのが素朴な『マルコによる福音書』であると言う「マルコ優先説」をカール・ラハマン提出1835年)して以来、マルコ優先説がプロテスタント中でも高等批評の立場に立つ聖書学主流占めるようになり、共観福音書の中で最古の重要資料であるという認識がされるようになった。 さらに、先の「マルコ優先説」を元に、「マタイ福音書」および「ルカ福音書」が共に「マルコ福音書」と仮説上のQ資料二つ基礎資料として利用したという「二資料仮説」が現在では主流となったが、この立場からも「マルコ福音書」をQ資料と並ぶ最古資料ひとつとして研究上重要な資料とみなすことに変わりはない。現在はカトリックプロテスタント中でも高等批評の立場に立つ聖書学者の間では「二資料仮説」が主流となっている。 こうした議論踏まえイエス歴史的実像文献学的に追求しようとする史的イエス研究においても最古資料であるとして、重要視する研究者も多い。 もっとも、『マタイ福音書』のアラム語版の存在仮定しマタイ先行する福音書であるという旧来の説を補強し続け研究者など少数派ながら存在し今なお「マルコ優先説」に対して批判試みられ続けている。

※この「マルコ優先説」の解説は、「マルコによる福音書」の解説の一部です。
「マルコ優先説」を含む「マルコによる福音書」の記事については、「マルコによる福音書」の概要を参照ください。

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