マトリックスデコード再生技術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 02:58 UTC 版)
「ドルビーラボラトリーズ」の記事における「マトリックスデコード再生技術」の解説
一般的な環境でも再生できるステレオ音声にサラウンド音声を重畳する技術である。エンコーダ側で左と右のチャンネルに位相を変化させたサラウンド音声を埋め込んでおき、デコーダで位相に着目してサラウンド音声を復元する方法である。 ドルビーサラウンド(アナログ/デジタル) ドルビーステレオを一般家庭用にした技術。ビデオやレーザーディスク、カセットテープなどの2.0chステレオのみ記録できる媒体に、アナログの3.0chサラウンド(フロント2chとリア1ch)を記録させることができる。専用のデコーダーや機材の無い場合は通常の2.0chステレオ、機材のある場合は3.0chサラウンドを再生させることができる。'90年代に入ってからはTVゲームにも採用された。民生用でドルビーサラウンドが主流の時代には家庭にサラウンド環境が整っていなかったため、ごく一部のユーザのみが体験できたフォーマットであった。 代表作は『スーパーダライアス』(PCエンジン)、『ジュラシックパーク』(スーパーファミコン)、『パラサイト・イヴ』(PlayStation)、『スターツインズ』(NINTENDO64)など。 ドルビープロロジック(アナログ/デジタル) ドルビーサラウンドの3.0chサラウンドを、4.0chサラウンド(フロント3chとリア1ch)に変換する技術。ドルビーサラウンドとの違いは、「2.0chステレオから位相的に3.0chサラウンド信号成分を抽出するだけの簡易型技術」がドルビーサラウンド、「ロジック(方向性強調)回路により、隣接チャンネルの分離度を高めるよう4.0chサラウンドに変換する技術」がドルビープロロジックである。 ドルビープロロジックII/IIx/IIz さらに技術を向上させたプロロジックII(2.0chステレオを5.1chサラウンドに拡張)、プロロジックIIx(2.0chステレオや5.1chサラウンドを7.1chサラウンドに拡張)、プロロジックIIz(2.0chステレオや5.1ch~7.1chまでのサラウンドを9.1chサラウンドに拡張)が順次追加されている。 ドルビープロロジックIIは当初はデコード(再生)側だけで5.0ch/5.1ch/6.1ch化する再生オンリーの技術であったが、ドルビープロロジックIIにおいて、ゲーム用に音声を最適化するドルビープロロジックIIインタラクティブエンコード技術が開発された。このエンコード技術を用いて、マルチチャンネル音声を2ch音声としても再生できる音声の一部としてマトリックスエンコードし、それをドルビープロロジックII(又はドルビープロロジックIIx/IIz)でデコードする事で、エンコード無しの場合に比べて制作者の意図をより大きく反映する事が可能となった。 なお、このエンコード技術を用いて制作されたゲームソフト(PS2、PSP、Wii、GC)にはドルビープロロジックIIのロゴが表記されている。 ドルビーサラウンド(DOLBY ATMOS for Home版) 2.0chや5.1ch、7.1chのコンテンツをホームシアター機器のサラウンド環境に合わせてアップミックスし再生する次世代のサラウンドテクノロジー。ドルビーサラウンドはドルビーアトモスを再生できるシステムだけではなく、従来のスピーカーレイアウトにも互換性がある。
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