マトリックス支援イオン化
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/20 06:28 UTC 版)
「イオン源」の記事における「マトリックス支援イオン化」の解説
マトリックス支援イオン化(MAI)は、サンプル調製におけるMALDIに似ているが、マトリックス化合物に含まれる分析物分子を気相イオンに変換するためにレーザーは必要ない。MAIでは、分析物イオンの電荷状態はエレクトロスプレーイオン化に似ているが、溶媒ではなく固体マトリックスから取得される。電圧やレーザーは必要ありませんが、レーザーを使用するとイメージングの空間分解能を取得できる。マトリックス分析物のサンプルは、質量分析計の真空中でイオン化され、大気圧注入口から真空に挿入でる。2,5-ジヒドロキシ安息香酸などの揮発性の低いマトリックスでは、MAIで検体イオンを生成するためにホットインレットチューブが必要であるが、3-ニトロベンゾニトリルなどの揮発性の高いマトリックスでは、熱、電圧、レーザーは不要である。単純にmatrix:analyteサンプルを大気圧イオン化質量分析計の注入口に導入すると、豊富なイオンが生成される。少なくともウシ血清アルブミン[66 kDa]と同じ大きさの化合物は、この方法でイオン化できる。このシンプルで低コストで使いやすいイオン化法では、質量分析計への注入口をイオン源と見なすことができる。
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