マイナーマスター問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/14 03:24 UTC 版)
「マスターカード」の記事における「マイナーマスター問題」の解説
当初、日本で発行されていたクレジットカードに付けられていたMasterCardマークは、日本国外でも利用可能にするためのものであった。国内での使用はクレジットカードを発行した会社が契約している契約店舗で使用する前提であり、国内ではMasterCardとして使用できなかった(但し海外で発行されたカードはMasterCardとして使用できるようになっていた)。一方、VISAは日本への導入が始まった当初から店頭にVISAマークがついている店舗では発行会社を問わず使用ができていた。VISAはマークが掲示してあれば使えるのに対し、MasterCardはマークが掲示してあっても実際に決済できるのはその店と契約しているクレジットカード会社のみ、という状況が次第に混乱をきたし始める。 そこで、DC・MC・UCの各社間で相互に伝票をやり取りすることで決済を行うようになった。その後、この三社に加えて協同クレジットサービス、オムニカード協会、OFC、CF、ジャックス、ライフ、西武クレジット(現在のクレディセゾン)、日本クレジットサービス(現在のイオンクレジットサービス)が参加して、1989年3月にマスターカード・ジャパン(MCJ)を設立、MasterCardを付与したカードの各社間決済が可能となった。ただし、これはあくまでMCJへの加盟が前提となっており、立ち上げに不参加の日本信販、国内信販(現在の楽天カード及びKCカード)、ダイエーファイナンス(現在のセディナ)や、その後MasterCard Worldwide(MCW)へ直接加盟する形でクレジットカード事業へ新規参入した会社については決済が行えない不完全なものであった。例えば日本交通公社は、1989年5月にMCWからライセンスを付与され、JTBマスターカードを発行開始しているが、1990年3月にMCJへ加盟するまで、日本国内での決済は事実上出来なかった。 現在[いつ?]、Mastercardの決済は原則としてMCWのネットワークを通じて行われるようにシステムが切り替えられているため、カード自体の利用停止、あるいは磁気不良等の不具合が無い限り決済不能の事態は発生し得ないはずであるが、更新していない古いクレジットカード端末機やPOSが残っているため、MCJに加盟していなかったカード会社、あるいは稀に最初に相互決済を行った三社以外のMastercardを認識できず、弾くケースがまだ存在しており、この事象をマイナーマスター問題と呼ばれている。古い端末機がなくなっていくことで解消に向かうと考えられているが、端末機は加盟店側で購入しているものが多いため、故障などが発生しない限り加盟店側による自発的な交換は少なく、今後もわずかながら残っていくと思われる。
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