ボイスレコーダー音声の流出と遺族の生データ開示要求訴訟
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 03:58 UTC 版)
「日本航空123便墜落事故」の記事における「ボイスレコーダー音声の流出と遺族の生データ開示要求訴訟」の解説
2000年(平成12年)7月ごろには、事故機の操縦室音声記録装置 (CVR:Cockpit Voice Recorder)を再録したカセットテープがマスメディアに流出した。8月にテレビ各局で相次いで放送され、墜落事故から15年を経て一般人が墜落直前のコックピットの様子を初めて知ることとなった。 CVRは30分間のエンドレステープ4チャンネルからなり、管制交信・乗員の会話・乗客に対するアナウンス・マーカー音など、4通りとなっている。流出したカセットテープの音声はこれらが繋ぎ合わされた32分間のもので、無録音部分も多い。 2000年(平成12年)8月、事故調査委員会は事故調査報告書作成のために使用した一部の資料を、マイクロフィルム化など別の手段で保存した上で廃棄していたことが毎日新聞の取材により分かった。再調査を求める一部の遺族らは「再調査への道を閉ざす行為」と批判した。 2021年(令和3年)3月26日、遺族2人(1人は事故機を操縦していた副操縦士の親族)がボイスレコーダー・フライトレコーダーの生データの開示を求め東京地裁へ提訴した。2000年に流出したボイスレコーダーは4チャンネルを編集したもので生データは現在も非公開のまま。2018年と20年にボイスレコーダーとフライトレコーダーの生データの開示を日本航空に求めたが、日本航空は「公的な調査目的以外の使用は禁じられている」などの理由で応じていなかった。事故後36年間、国や日航は調査資料の開示に応じていない。原告は、開示は遺族の当然の権利としている。
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